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「ああ、湯が滲みて来る。本州の北の果ての海っぱたで、温泉旅館の浴槽に沈んで、俺はいま硫黄の匂いを嗅いでいる」(井上靖『海峡』)
【青森・下風呂温泉「まるほん旅館」】1泊1万500円
★交通 朝6時半の新幹線で東京を発ち、新青森から青森-野辺地-下北と乗り継ぎ、さらにバスに揺られて到着は午後3時すぎ。はるばる来たぜ(あーっ、遠かった)。
★部屋 泊まったのは2階の6畳、13号室。トイレ・洗面所は共同。トイレから離れた部屋だったので、少し面倒くさかった。
陽が暮れると、部屋にパールピンクの明かりが差す。えっ、夕陽? 実は表の街灯。
ここでは街灯がイカ釣りの集魚灯になっており、夜になると村が優しい光に包まれる。
★温泉 男女別の内湯のみ。脱衣所から階段を降りていく(有馬「上大坊」を思い出した)。頭をぶつけないように要注意!
那須新湯に似ている気がしたが、遠くまで来たせいかこちらの方がさらによく感じた。
ただかなり熱い。夏場は加水しないと、とても入れない。
★食事 ここでのお楽しみは何といっても食事(2日間とも部屋食)。
1日目は刺身にくわえ、これでもかとイカ尽くし。2日目豪華にアワビ&ウニ。あーっ、どこの宿でもこうだったらいいのに…。
★観光 車でないのであちこち行けない。でも、本州最果ての村に「丸1日」いることができたのが楽しかった。
立ち寄り湯はもとより、幻の大間鉄道メモリアルロードや二見岩の見物…。
漁から帰ってきた漁船が荷揚げをする様子を遠めで見たり、あるいはウミネコの観察。
自分のくちばしで食べられない貝を車に踏み潰してもらって食べるとはなかなか頭がいい。
★残念 一番残念だったのは「さつき荘」が改装中で、黒灰色の湯につかれなかったこと。
メモリアルロードの足湯が唯一同じ浜湯系で、足の先で黒い湯花を舞い上がらせながら「あーっ、入りたい」。
台風接近で強風が吹いていなければ、夜、こっそり入っていた気がしなくもない(本当か!?)。