11/12/14 16:49:28.15 zSdNO3X50● BE:1319105257-PLT(12000) ポイント特典
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自閉症のエリ 娘の障害をこえて 矢幡洋(臨床心理士)【第8回】
娘は6歳になる直前に「自閉症」と診断された。そして家族の運命はかわっていく……。
力作『数字と踊るエリ』(講談社刊)を上梓した著者の衝撃の告白。
* * * * *
「学校はどうだった?」
エリが学校から帰ってくると、その日一日の様子を聞き出すのが僕の日課だ。
「山口さんが悪いことしていた。脅かしていた。後ろからべーとかやって。私は、笑ってた」
「うん、うん。じゃあ、はい一円」
僕は一円玉を一枚、エリの前に差し出す。
「それからあとは、えーと、んーと、掃除の時間、キラキラシールが落ちていた。それを拾った。
それから、先生に『ここを拭いて』って言われた。それで私はバケツに水を汲んで絞って雑巾で拭いた。そうしたら男の子に『ダメだよ』って言われた」
「どうして?」
「『先生に言われたもん』って言ってた」
「そうか。今のお話は、誰がなんて言ってたのかがちゃんと言えてたから、二円!」
「それから、すき間を拭いているとき、私が『北村君、ドリル終わった?』って聞いた。そうしたら、『終わっていない』って言ってた。
『一年生のは終わっているけど、二年生のは終わっていない。三年の一学期も終わってないし、二学期も終わっていないし、三学期も終わっていない』って。
そうしたら山田君が、『北村君、ドリル終わってないのダメだよ』って言ってた」
「そうか。今のは友達同士の会話も入ってたから、よかったよ。だから三円。あとボーナスで二円あげちゃう」
「やったねー。いっぺんに五円もらうの初めて。まだあるよ。あのね……」
保育園時代に「今日は何があったの?」と聞いても、聞かされたのは毎日「制作」の一言だけだった。
一年生のときは「一時間目は国語、二時間目は算数……」と科目名だけ。
二年生の一学期は「ツバメが飛んでいた」と、鳥や虫の話だけ。
二年生の二学期は毎日「一年生が池にアリを投げ込んでいた」という断片的なシーンだけ。
しかし最近では、ようやくまとまった「事件」を毎日報告してくれるようになった。
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