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【放射能の影響か?】神奈川で季節外れのアブラゼミの目撃情報多発
立冬の翌日、11月9日。一本の電話がきっかけだった。「アブラゼミを捕まえたのですが」。本紙が「季節外れの珍客」と報じたところ、以降も情報が相次いだ。
専門家が論文や資料などで最新の情報を確認したところ、県内では昨年12月7日に座間市で確認されたのが最も遅いものという。
原因は温暖化か、異常気象か、単なる「お寝坊」か、偶然か。背景を探った。
11月9日に横浜市南区から連絡があった個体は、記者も生きているのを確認した。15日には寒川町で、羽化したばかりの成虫が見つかった。
20日には横浜市戸塚区から、29日には同市保土ケ谷区から報告があった。
中略
アブラゼミの羽化は7月下旬から9月上旬ごろで、成虫の寿命は20~40日とされる。条件としては外気温より地熱温度が強く影響していると考えられるという。
「日陰と日なたでも時期が違うはず」と槐さん。本州が主な生息域のミンミンゼミが、北海道の温泉地で生息している例もある。
そこで槐さんが仮説として考えるのが、都市部の「ヒートアイランド現象」だ。冬でも地熱温度の高い状態が保たれている場所があれば、遅くに羽化ができる。
特にアブラゼミの幼虫は、都市部の硬い地面にも適応できるのだという。
身近なセミでさえ、羽化や行動範囲など不明点ばかりだ。槐さんらは3年前から厚木市中央公園で400匹に印をつけて放し行動確認をしているが、
翌日以降確認できるのが延べ50匹程度で、なかなか体系的なデータにならないという。
過去に環境省が実施した「身近な生き物調査」では、市民からセミの抜け殻を集め、分布域を図にした。
槐さんは「市民からの報告を積み重ねれば、温暖化やヒートアイランドとリンクしているかなど詳しいことが分かるかも」と話す。
そう。生態解明のカギは、あなたが握っているのです。読者の皆さん、これからも何か見つけたら、本紙までお願いいたします。
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