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井川遥は、今でこそドラマやCMで活躍しているが、谷口氏のマネジメントを断ったことで一時は業界から干された。モデル出身の女優の畑野ひろ子も、
谷口氏に気に入られたひとり。そんな畑野と俳優の柏原崇との熱愛が発覚したことに嫉妬した谷口氏は、フジテレビの月9ドラマ『いつでもふたりで』(03)に
出演が決まっていた柏原を、担当プロデューサーに圧力をかけて強引に降板させたのだ。発表された降板理由は、柏原が“頸肩腕症候群”にかかったとの
ことだったが、彼の体調は降板するまで悪化はしていなかった。谷口氏の意を汲んだプロデューサーが柏原サイドを説得し、降板に持っていったのだ。
このように、テレビ局もメディアも谷口氏の横暴を許してきた。先にも述べたように、谷口氏は「本籍は『ケイダッシュ』、現住所は『バーニングプロダクション』」
と言われるほど、ケイダッシュの川村会長とバーニングの周防社長とべったりで、その威光を恐れたからだ。
そんな見て見ぬふりが、5年前のTBSの元女子アナの故・川田亜子さんの自殺を招いてしまったと言っても過言ではない。川田さんは谷口氏の元を離れて、
マット・テイラーという新しい恋人ができたことで、仕事を干され、追い詰められて自殺した。この時もマスコミは、谷口氏のバックにいる川村会長と周防社長を
恐れて、自殺の真相究明取材に動かなかった。それが、今になって、吉松さんへのストーカー行為につながった。
しかし、吉松さんはこれまでの女性タレントのように泣き寝入りせずに、警視庁に谷口氏を威力業務妨害で刑事告訴。併せて東京地裁に民事提訴した。
しかし、文春の報道を追いかけ、谷口氏の責任を追及するメディアは少ない。こんな卑劣な男をマスコミが断罪できないのは残念だ。それだけに、司法が
谷口氏をどう裁くか大いに期待したい。 (文=本多圭)