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いじめを受けていた大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、「加害者の祖父」とする事実無根の内容をインター
ネットのブログに掲載された滋賀県栗東市の病院職員の男性(63)が今も誤解に苦しんでいる。男性は「無責任な書き込
みがどれほど苦痛を与えるのか知ってほしい」として、ブログを掲載した兵庫県西脇市の男性(37)を相手取り、慰謝料
など165万円を求める訴訟を近く大津地裁に起こす。
訴状によると、西脇市の男性は2012年7月、自身のブログに、病院職員の男性について「加害者とされる少年の祖父
だ」という内容を書き込み、男性の写真2枚を掲載。少なくとも十数万人に閲覧させ、男性の社会的評価を著しく傷つけた
としている。
掲載当日の夜、同僚から知らされて男性が確認すると、既に自分の顔写真や勤務先などの個人情報がネット上にあふれて
いた。勤務する病院に「辞めさせろ」「死ね」など200件以上の脅迫電話が殺到。「死んで罪を償え」などと書かれたは
がきも送られてきた。近所の高齢女性からも「お孫さん大変やけど、気にしたらあかん」と言われるようになり、「ネット
の中の話が、いつの間にか現実を圧倒しているような気がした」と振り返る。
西脇市の男性は昨年11月に名誉毀損(きそん)の疑いで書類送検され、今年3月に大津簡裁から罰金30万円の略式命
令を受けた。病院職員の男性はこの男性と知人でもない。ネット上の誤った情報などを基にブログに掲載されたが、書き込
みは拡散されネット上に残ったままだ。「今でも知り合いに『祖父と違うのか』と言われることがある。ブログを掲載した
人だけでなく、拡散した人たちにも被害を知ってほしい」と話す。
警察庁のホームページによると、ネット上に事実無根の書き込みをされるなど名誉毀損や中傷に関する相談は昨年1万
807件。10年からは、通報を一元管理して警視庁が発信元を特定し、当該の都道府県警が捜査する「全国協働捜査方
式」を導入し、取り締まりを強化した。
毎日新聞 11月8日(金)12時19分配信 毎日新聞
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