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私が知る「従軍慰安婦」 湯浅謙
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当時の軍人の目から見ると「慰安婦」は公娼のように見えたのです。
料金を払いますし愛想もよかったからです。
然し彼女たちには本当のこと、つまり「私は強制され連れて来られた」とか、
「帰ろうとしても脅迫され帰れなかった」などとは絶対に言えなかったのです。
相手は軍人、ましてや将校、「日本軍を談議する」とか、
「戦争に協力しない」として憲兵隊に通報される。
またにこにこして兵隊を迎えなければぶん殴られるが関の山。
ここに落ちたら泣いても反抗しても同じ、することはしなくてはならない。
だから性奴隷です。これが植民地支配の実情です。
私は路安で一日に30人を相手にして急死した女性のことを聞きました。
苦しくても逃げられなかったのです。
しかし「外出もできたから自由があった。お金を得たから奴隷ではない」などと言う
若いマンガ家や「兵隊を拒否しなかったから商売だった」という大学教授もおります。
これらは植民地支配や戦地の軍支配の実体を何も知らない人たちの言うことです。
「慰安婦」は正しく日本軍の性奴隷だったのです。