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サミュエル・ジョンソンは、「愛国心は、ならず者の最後の避難場所である」と言った。これを初めて
聞いた時は、ひどい言葉だと思った。「愛国心」をからかい、貶める言葉だと思った。だが、愛国心を
持ってる人を全て「ならず者だ」と言った訳ではない。勿論、立派な愛国者はいる。ただ、時として、
愛国心は利用される。悪用される。その危険性を説いたのだろう。
又誰しも簡単に「愛国者」にはなれる。資格もないし、試験もない。届け出もいらない。「俺は愛国者だ」
と言うだけでいい。サミュエル・ジョンソンが、どういう状況で、どういう時代背景でこの言葉を発したのか、
よく分からない。私も調べているが、はっきりしない。この言葉だけが一人歩きしている。あるいは日本の
右翼を思い起こす人もいるだろう。戦前の「国士」「壮士」と呼ばれる「愛国者たち」は、言論活動もしたが、
かなり荒っぽいこともやった。
『SAPIO』で、小林よしのりさんは、「お前たちは差別主義者だ」と断じていた。又、ネトウヨを取材して、
『ネットと愛国』を書いた安田浩一さんは、こう言う。
<ネトウヨとは何か? これは若者たちがのめり込む、「愛国」という名の階級闘争だ>
つまり、愛国心を持った、善良な自分たちは、貧乏で、弱者だ。ところが、在日の人や、日本を危うく
する連中は、いい思いをしている。これは許せない。「階級闘争だ」と、言うのだろう。
普通のサラリーマンやOL、フリーターといった「弱者」が、「愛国」という言葉を手に入れると、
巨大ロボットに変身したようになる。自分が「日本」そのものになる。中国、ロシア、韓国、北朝鮮を
許すな! そんな国は攻めちゃえ! と言う。自分は一人の弱い人間なのに、巨大なロボットに
なったと錯覚するのだ。愛国心は、そう錯覚させる力がある。魔力がある。
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