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大統領発言に戸惑う宮内庁 韓国への思い表してきた陛下
天皇訪韓の条件として謝罪を求めるなどした李大統領の発言に対し、宮内庁幹部や政府関係者からは
「理解不能だ」「これで訪韓が100年遠のいた」と戸惑いの声があがっている。
1984年の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の来日以来、李明博氏を含む韓国の歴代大統領は天皇の訪韓を求めてきたが、
天皇陛下が自ら訪韓の希望に触れたことはない。
憲法上、国政に関する権能を持たない天皇の外国訪問は、あくまで国際親善が目的であり、訪問先も政府が決めるものだからだ。
一方、政府は天皇訪韓を水面下でたびたび検討してきた。
しかし日本による植民地支配をめぐる歴史的経緯から懸念も大きく、「危険がゼロにならないと難しい」(元宮内庁幹部)との慎重論が根強かった。
86年に皇太子ご夫妻(いまの天皇、皇后両陛下)の訪韓計画が浮上した際は、皇太子妃(いまの皇后さま)の健康状態などから見送られている。
ただ、天皇陛下は折に触れて朝鮮半島への思いを表してきた。
2001年の記者会見では「桓武(かんむ)天皇の生母が百済(くだら)の武寧(ぶねい)王の子孫であると続日本紀(しょくにほんぎ)に記されていることに、
韓国とのゆかりを感じています」と発言。
05年、戦没者追悼のため太平洋戦争激戦地のサイパンを訪れた際は、韓国系住民の慰霊碑にも拝礼した。
来日した韓国大統領に対しても、率直な気持ちをたびたび述べた。
90年に来日した盧泰愚(ノ・テウ)大統領には「痛惜の念」を表明。98年来日の金大中(キム・デジュン)大統領には「深い悲しみ」と表現している。
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