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2012年(平成24年)7月29日付 読売新聞日曜版3面
皇室ダイアリー No.157 両陛下
願い続けた栄村お見舞い
山沿いのカーブを、天皇、皇后両陛下を乗せた車が上ってゆく。針葉樹のみどり、
田の青が目にまぶしい。
両陛下は19日、東日本大震災翌日に震度6強の大地震に遭った長野県栄村を日
帰りで訪問、仮設住宅に住民を見舞われた。全国的に暑い日で、役場の温度計は
午後3時に32度を記録した。
両陛下を迎えた被災者の多くは、崩壊した家屋から命からがら逃げた人たち
だ。「地震のときは」と陛下に聞かれた山岸克己さん(58)は「うちの中で、死ぬ
かと思いました」と語った。外に逃げた後、家が崩れたという。「無事で良かった」
と陛下が見せられた笑顔に周囲がうなずきあった。
娘の野乃美さん(6)と一緒にいた広瀬佐代子さん(40)は「揺れがすごくて怖
かったです」と話した。皇后さまは「お子さまをよくお守りになりましたね」と
ねぎらわれた。
栄村は有数の豪雪地帯だ。冬季の復旧作業は困難で、今も道路や橋の修復工
事が続き、山肌には大規模な崩落跡が残る。被災以降、両陛下は訪問を強く希望さ
れ、今回、陛下の病気、手術を乗り越えて実現した。
村民は、地域の結び付きや長期的なボランティア活動に支えられてきた。両陛
下は関係者との懇談で、救出活動の様子や復興への課題を詳しく聞かれたという。
編集委員 小松夏樹