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つづき
翌十二月十日の夜、ついに声をかけても返事がなくなり、体温も三十四度まで低下、老人は生命が危ぶまれる状態となった。その日、警察署はフジテレビに対し、
受傷者の氏名、日時、場所、担当者名を知らせ「火の上を歩くロケをおこなったか」と問い合わせた。
おざなりな「調査」をしただけで、五日後、フジテレビは「該当するロケはない」と回答。結果、警察は事件性はないと判断、隣に住む兄夫婦にさえ事情を聞くことなく
自傷事故として処理したことで、フジテレビの関与は聞に埋もれた。
(略)
一方、脳天気に番組が作られているさなか、病院では老人に表皮を移植する手術などが繰り返された。二十日には呼吸が一時停止、胃の複数ヵ所から出血・吐血、
一肺には水が溜まり、臓器不全に陥るなど、重篤な症状が続いた。
(略)
それは二重の意味で空恐ろしい光景だった。ひとつは、老人が燃えさかる火炎の中を歩くシーンをフジテレビ内で誰も疑問に思わずに放送したこと、もうひとつは、
この時すでに死亡していた可能性のある老人を番組内で笑いものにしていたことである。
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結局老人は腎不全で死亡した。
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退屈貴族「東洋のランボー」
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