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伊藤廣一『統計歴史散歩』日本統計協会、2000年
2010-06-05 00:28:12 | 統計/情報/データ
資料的価値のある本ではないでしょうか?
内容は「明治期」「大正期」「昭和期」の3部に分かれ、それぞれの時期の統計に関するトピックが断片的に
記載されています。
例えば、「明治期」では近代統計の始祖、杉亭二の「甲斐国現在人別調、統計という訳語をめぐる論争、万国
統計公会のなぞ、共立統計学校、統計学社、東京統計協会などについて、「大正期」では国勢調査、中央統計委
員会のことども、「昭和期」では統計法の制定、中央と地方の統計機構の整備、最初の標本調査CPS、フィッシ
ャーの理想算式、労働力調査、事業所統計調査、標準統計分類、統計報告調整法について縷々エピソードが書か
れています。
日本の統計制度の整備、改善の話などは地味な話ですが、貴重な記録といえます。明治以来統計という仕事に
関わった人々、杉亭二、呉文聡、川島孝彦などの偉大さが行間から滲み出てくるようです。
巻末の年表は重宝しました。1994年(平成6年)から5年間『統計』に連載された「統計歴史散歩」をまとめたものです。