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隠された亀裂 懸念の深まる高速鉄道
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【新唐人2011年8月25日付ニュース】日本人にも衝撃を与えた中国の高速鉄道事故。そのうち、北京―上海間を走る
CRH380BLの車両は、故障が相次いだため、メーカーがリコールを決定。故障の原因は、当初言われていたパンタグ
ラフではなく、車軸であるとメディアは報道したものの、これに対し中国当局は口をつぐんでいます。
8月11日、北京―上海間を走る車両CRH380BLについて、メーカーの「中国北車」は、54編成のリコールを発表。北京
―上海間の高速鉄道の開通から、わずか1ヵ月半のことでした。
車両メーカーはCRH380BLについて、車軸が熱くなり誤って警報が鳴ったり、パンタグラフの異常が発生したりするな
ど、故障が尽きなかったと指摘。これは納品企業が提供した部品の不備だと釈明しました。
しかし8月22日発行の中国の週刊誌「新世紀」はこれを否定します。2011年7月15日、山東省済南市で北京と上海間
を走る車両、CRH380BLの定例検査が行われ、その11車両目の車軸に対する超音波検査では、モニターに 振幅の異
常が現れます。これは内部に欠陥があることを意味します。その後の報告書によると、これは車軸の亀裂で、長さ7.1
ミリ、幅2.4ミリに達していました。報告書はこの車軸を交換するよう要求しています。
週刊誌「新世紀」によれば、列車の車軸の異常が発見されたのは一度ではありません。今年の6月には、もうすでに
このような報告がありました。複数の報告書で、この亀裂の問題が指摘されています。
車軸とは列車のタイヤをつなぐ軸のことです。これは列車の安全に大きくかかわります。中国鉄道省の基準では、2
ミリ以上の亀裂が車軸に生じた場合、廃棄処分にしなければなりません。そのまま使い続ければ、運行途中に、列車
がレールを飛び出して、大惨事に発展する恐れすらあります。
この車両が正式に営業運転されてからわずか半月で、肝心の車軸で原因不明の亀裂が発見されました。そのため
金属疲労が原因の可能性は小さいと専門家は指摘。検査のやり方が正しいとすれば、材質あるいは工程の問題しか
考えられないといいます。
「新世紀」の調査によると、タイヤを製造したのは「智奇鉄道設備有限公司」で、これを実質的に支配しているのは、
鉄道省の前大臣に賄賂を贈り有名になった山西省の女性ビジネスマン、丁書苗でした。
これまでずっと、車両メーカーおよび鉄道省は、この原因不明の車軸の亀裂を発表していません。車軸の交換後、
この列車と同じモデルで、同じメーカーのタイヤを使っていた列車が、依然として、時速300キロで北京―上海間を走っ
ていました。
中南大学・都市軌道交通研究所 王成立教授
「中国は速度にこだわり、問題が出ました。多くの部品は一体化しておらず、寄せ集め、これではだめです。鉄道省
は車軸の亀裂を否定したものの、車軸に亀裂があれば、問題は深刻です」
車両リコールの背後には、実に多くの隠された謎があり、それこそ真の危険であると「新世紀」は指摘しました。これ
までの統計によると、高速鉄道の北京―上海間の開通以来、およそ1ヶ月で、すでに5つの故障がメディアによって暴
露されています。