12/07/18 23:18:42.12 pohKyVsb0
次に意識がふわりと戻ったのは、多分そのすぐ後で、まだ身体の中にはずくずくと息づくものが。
「ああ…」
痛くて、苦しい。きりきりと、柔らかさに突き刺さるそれは肉を抉り、背中にのし掛かる重みごと、内蔵から息が漏れる。
だって当たり前の行為じゃなくて、関節はぎしぎしと悲鳴を上げていて、だったらなんでこんなに気持ちよくなるように、この身体は造られている?
ぼんやりした闇の中。頬を押し付けているシーツの色だけが、ほのかに白い。目の前をパチ・パチと光が跳ねて、飛んでいく。銀河系のように白いうず。
腕の感覚はあるけど、シーツを掴む力はない。臍から下の感覚も。背中は重たくてしなるのに。
「ああああ、あ」
叫んでいるのに、もっと、と甘く請いたいのに、ぼわんと響くだけで自分の声も聞こえない。
ただ、意識を取り戻すのを待っていたように、ぐうと膨らむそれを締め付ける。そう、出来ている身体のように。
ぎゅううと絞るようにもう、つらいから助けて。もっと苦しくなればいいのに。
ゴムの口まで擦れるほど、それは深く深く自分を突き刺し、かき回し、とろりとひとつに繋がっていく。まるで最初から自分の中にあったように。これがなかったら、もうどうやって立てばいいか分からない。まるで背骨のように緩く弧を描いて、びったりと埋まる性器。
背中にぽたり、落ちる汗。震える息を漏らしながら、それが舐めたいなあ、と篤人は思う。喉が少し、乾いている。唇を舐めると、さっき飲んだオレンジジュースの味が微かに。
キン、と耳鳴りの後に、首筋に当たる声。耳の後ろの髪が、汗と一緒にちゅっと吸われる。こんなに喉が渇いてるのに、ずるい。
でもその言葉に、篤人はくしゃりと笑った。良いよ、と言葉の代わりに締め付ける。堅い肉を。自分でしてるのに、苦しくて、痛くて、良いからまた勝手に声があがる。
恥ずかしい自分をもっと見せたい。どれだけ好きか、それで分かるから。
もっと、と甘えて上げた声は、彼に伝わっただろうか。だって、この部屋には静かな音で満ちている。