14/03/29 12:07:27.15 ZW3XZ7KM
>>29つづき
ただ、わらをもつかむ思いで偶然出席した生物学会でのやりとりが、まさに目からウロコの連続だったと大塚氏。それはどういうことか?
「それまで航空工学で学んだ常識を覆されるような学説が、さまざまな学者から仮説として語られていたんです。
例えば、イルカの表面のしわは水との摩擦抵抗を下げるために、水の流れに垂直に入っているとか。どう考えても水の流れと平行に入っているほうがいいって考えるのが普通じゃないですか。
さらに、イルカは水のなかで瞬間的に時速50キロで泳げるのに、そこに必要なはずの筋力量の1/7しか持ってないこととか。この仕組みは未だに解明されておらず、『グレイのパラドックス』と呼ばれています」。
突破口を求めて、その翌年も同じ生物学会にも参加する。
そこで語られていたのが、今度はアホウドリやトンボの生物だった。
「ここでも完全に航空工学の常識を否定され、NASAの翼型よりも高効率な飛び方をするアホウドリのことが、まことしやかに語られていました。さらにトンボの翼断面がギザギザになることで、空気との摩擦抵抗が少ないことも知りました」。
ただ、これらの情報をいきなり上司に進言することはできなかった。
なぜなら、その学会でも語られていた内容は、真実ではあるものの、まだ解明できてないものがほとんどだったからだ。
学者たちが口々に「この仮説でないと、辻褄が合わない」とか「解明できていないけど、こうならないとおかしい」とか言い合っている状態である。