13/02/14 23:59:41.79
>>90の続き
【音楽家東瑠利子、華麗なる愛】 ■第十五回■
瑠利子は毎日元気に幼稚園に通った。
心身ともに健やかに育っていた。それは他の子供と比べても明らかだった。
2月のある日。幼稚園では子供たちによる相撲大会が行われた。
男女混合の大会だったのに、瑠利子は見事に優勝した。
女の子はもちろん、男の子も次から次へと投げ飛ばし、
全く寄せ付けずに横綱相撲を展開して優勝したのであった。
しかし瑠利子は負けた男の子たちを気遣い、
表彰式でも一切笑顔を見せなかった。
このようなところを見ても、いかに瑠利子が思いやりのある
やさしく健康的でたくましい少女であったかがわかるであろう。
瑠利子は帰宅した後、両親に優勝の報告はしなかった。
それは彼女にとって誇ることでもなんでもなかった。
彼女の実力では優勝は当然であって、
いちいち親に報告するようなことではなかった。
瑠利子は4歳にして極めて優秀であり、心身ともに
並外れた少女なのであった。
(第十六回に続く)