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【音楽家東瑠利子、華麗なる愛】 ■第四回■
「これから瑠利子がみなさまのためにピアノソナタを演奏致します。
お聞き苦しいところもあろうかと存じますが
ご静聴のほどよろしくお願い致します」
参列者からざわめきが起こったが、それも一瞬で終わり、
これから瑠利子が奏でるであろうピアノソナタを待った。
瑠利子はピアノ向かった。意を決したかのように演奏を始めた。
そこから聴こえてくるのはベートーベンのピアノソナタ「月光」であった。
僅か4歳の少女はプロのピアニストと遜色ないような演奏を行った。
居並ぶ参列者はただただ驚くばかりで言葉もなく、絶句した。
第一楽章の演奏が終わると瑠利子は静かに立ち上がり会釈をした。
大きな拍手が沸き起こった。そして、それは30分間も続いた。
(第五回に続く)