12/06/12 17:07:16.84
反応の選択性を決める原理としてCurtin-Hammettの原理というものがある。
これは「反応の選択性を決めるのは、出発系の配座ではなく、遷移状態へと至る活性化エネルギーの
差で支配される」という原理である。
この脱離反応でエネルギー障壁を決めるのは、脱離するプロトンへの塩基の接近だ。当然、立体障害の
小さい側から接近したほうが障壁は少ない。
また脱離反応の本質は、脱離するH-C結合のσ軌道が脱離基のσ*に供与されることにあり、この時に
軌道の重なりが最大になるようになる必要がある。これはanti脱離を意味している。
つまり塩基は二重の意味でアンモニウムのバックサイドから接近する必要があり、そのためには基質も
コンフォメーションを変化させなければならない。
かさ高い塩基は、かさ高いアンモニウムの反対側から接近している。だから、塩基の大きさと脱離基の
大きさの両方が利いている。別に矛盾してない。