06/07/25 23:11:40
木製の道標に腰かけていた大田のところに、先ほどの女性が戻ってきた。
大田は女性に、
「三千院に行きたいが、近道はありませんか」
と尋ねられたという。
狙い通りの展開。大田は真意を隠し通したまま、
「私はこの山で仙人のような生活をしていて、近道はよく知っている」と言うと、
先に歩きだした。女性もその後についてくる。
そこは近道などではなく、袋小路の獣道だったのだが……
足元にクマザサが生い茂る、うっそうとした杉木立の中。二人はかき分けるように獣道を
進んだ。日中でもあまり陽がささないうえ、前日に大雨が降り、地面はまだ濡れている。
「何度もつまずき、滑り、木にしがみついた」
と、現場に行った新聞記者は述べている。
被害者女性は、こんな道が近道だと信じて疑わなかったのだろうか。
大田がどのように被害者をついて来させ、
どうやって襲い、
彼女に何をしたか。
次回ではさまざまな説を、可能な限り紹介したい。