12/04/02 20:57:37.55 xxCvTWNK0
>>412
ところがストーリーがよくわからない。序盤は、アポカリプスウィルスという謎の奇病が蔓延したことで、
超国家間で組織された“GHQ”からの武力介入を受け、実質的な自治権を失った
近未来の日本を舞台に、「日本の解放」を目指すレジスタンス“葬儀社”に
ひょんなことから参加することになった平凡な高校生・桜満集(おうま・しゅう)の成長物語の
体裁をとって話が進む。だが、集が何を考え、何に迷い、どうなりたいのかがさっぱりわからない。
かわいい女の子に振り回されるまま、偶然手にした、他人の心を“ヴォイド”として具現化し、
道具として用いる超能力で場当たり的に行動するだけなのだ。
中盤を過ぎ、葬儀社の活動が大きな転換を迎え、その中心に集が位置するようになってから、
ようやく彼の行動は視聴者にも理解可能なものになる。弱さを捨て、強いリーダーとなることを目指す
少年の姿は、前半の迷走ぶりをすっかり頭から追いやってしまえば魅力的に見えなくもない。
ところが、今度は周囲の仲間たちがそんな彼に対して
場当たり的なリアクションを繰り返す。あるときは誉めそやすかと思えば、あるときは強硬路線に反対する。
まるで現実の政治に対する日本国民の反応を見るかのようで、
悪意のある戯画と捉えれば面白くはあるが、そうした裏目読みを試みなければ見ていて混乱するばかりだ。
そして終盤になると、集を中心とする、極めてプライベートな人間関係のいざこざに話は収斂されてしまう。
社会や政治に対する要素を後景に追いやり、キャラクターたちの愛憎劇に絞りこむことは、わかりやすい
盛り上がりは生むものの、作品に真摯に向き合ってきたファンであればあるほど、怒りを覚えるものだったのではないか。
ようするに、売り上げがいまひとつ伸びなかったのは、作品としての出来の悪さ―主にストーリー展開の難―に
起因していると言えそうなのだ。
なるほど、やっぱみんなシナリオが問題と訴えているのか