12/03/09 23:36:41.15 xuhGlpXz0
杏子 「ったく、梃子摺らせやがって。あたしをここまで追い込んだのはあんたが初めてだよ」
さやか「………………」
杏子 「あれだけ暴れたんだ。ちっとは気が晴れたんじゃないのかい?」
さやか「なんであんなコトしたんだよ?」
杏子 「なんで、って……」
さやか「余計なコトして! 一緒に死んでくれなんて頼んだ憶えはないんだよ!」
杏子 「ああ、そうだな。たしかに頼まれちゃいねえよ」
さやか「あんたは……! あんたはもっと生きられただろ!?」
杏子 「え…………?」
さやか「あたしはあんな姿になっちゃって……倒すべき魔女に成り果てたけど……でも、あんたは違うだろ。
あたしに言ったみたいに好き勝手に生きてれば良かったんだ! そうすれば死なずに済んだのに!」
杏子 「…………」
さやか「自棄になって友だち傷つけて……まどかにも謝ってないのに。その上、あんたにこんなコトされて、さ。
どうやって償えばいいのよ。正義の味方だなんてカッコつけて……」
杏子 「まどかのことはどうか知らないけど、これはあたしが勝手にしたことさ。だから単なる自己満足。あんたが気に―」
さやか「気にするなって? バカにしないで! そんな恩知らずな人間に成り下がりたくない!」
杏子 「おい……」
さやか「杏子……あんたの声、聴こえてたよ。まどかと一緒にあたしを呼んでくれたこと、ちゃんと知ってる。
でも体の自由は利かなかった。剣を握った手がさ、止められなかったんだよ……!!」
杏子 「そう、だったのか……」
さやか「誰も巻き込みたくなかったんだよ。それなのに……あんた、バカだよ……どうしようもないバカだよ……」
杏子 「ああ、あたしはバカだ。バカだから何もかも失敗した。家族も、信者も、何もかも失った!!」
さやか「それで、ずっと独りぼっちだったんでしょ?」
杏子 「…………」
さやか「今なら分かる。魔女になった所為なのかな、これって。あんたがどれだけ寂しい想いしてたか分かるんだよ」
杏子 「知った風なこと言うな。あたしは寂しくなんか……」
さやか「もう無理しなくていいんだよ。強がらなくていい。ここじゃ誰もあんたを見てない。あたし以外は誰もね」
杏子 「…………!」
さやか「ほら、こうしてればあんたの泣き顔はあたしにも見えないからさ。今のうちに泣いちゃえよ。
今まで泣くのも我慢してたんだろ? もう頑張らなくてもいいんだから。戦う必要も無い、意地になる必要もないんだよ」
杏子 「う…………っ!!」
さやか(なんだろう、この気持ち? 少し前まで何もかも憎くてしかたがなかったのに……それにしても……。
最初は殺し合う仲だったあたしの為に心中なんてさ、あんた、ほんとにバカだよ……杏子……。
もう大丈夫だよ。ここにはあんたを苦しめる奴も、見て見ぬフリする奴もいない。
あんたが独りで寂しかった分、これからはあたしが傍にいるんだから…………)
こんな感じですか?