12/03/07 21:52:45.92 w5v0sWHD0
(セミファイナル終了後)
さやか「なんだかんだで、あんたとファイナル進出か……」
杏子 (優勝賞金はたしか10億だったか。それだけありゃ親父の教会を再興できる……。
でもそのためには他のプレイヤーを…………!!)
さやか「ここまで来たんだ。優勝してあのライアって魔女を倒しちゃおうよ。頼りにしてるよ、杏子」
杏子 「頼りに……? ふざけんな。あんたとはセミファイナルで同じチームだったってだけで―」
さやか「でもあたしは頼りにしてるよ? 次がどんなルールのゲームだろうとね」
杏子 「いい加減なこと言うな! 口では何とでも言えるんだよ! 今までだってそうさ!
救いが必要なときだけ集まってきて、あたしが助けて欲しい時は誰もがそっぽを向いたんだ。
あんただってそうに決まってる! だいたいここまで勝ち残ってるってことは、あんたも散々誰かを騙してきたからだろ?」
さやか「それは……うん、あんたの言うとおりだよ。でもね、あたしは自分だけが得したいから戦ってたんじゃない。
あの魔女に捕まって、したくもない騙し合いをやらされてるプレイヤーを助けたいだけなんだ」
杏子 「ふん、どうだか。そうやって他人を陥れる奴をあたしは何人も見てきたんだぜ? 頼りにしてるってんなら証拠を―ー」
さやか「証拠を見せればいいんだね? いいよ……手、出して」
杏子 「……おい!? これって……」
さやか「あたしのソウルジェム。あんたに預けるよ。どうせゲーム中は変身できないんだし、持っててもしかたないからね。
投げ捨てるなり壊すなりすればいい。これがあんたを信用してるって証」
杏子 「………………」
さやか「今までのあんたを見て分かったんだ。最初の頃はあんたにまんまとやられたけどさ。
こいつは悪意を持って騙してるんじゃないって。他人を陥れる度に胸を痛めるような奴なんだって」
杏子 「残念だったね。やっぱりあんたはバカだ。あたしの何を見て、何を知ったつもりになってやがる」
さやか「………………」
杏子 「あたしはね、生まれついての嘘つきなのさ。だからあたしは嘘しかつかない」
さやか「それ聞いて安心したよ」
杏子 「あん? なんだってのさ?」
さやか「いま言ったじゃん。”自分は嘘しかつかない”って。だったら”それ”も嘘なんだろ?」
杏子 「何がさ……?」
さやか「”嘘しかつかない”ってこと。だからあんたは信用できる」
杏子 「…………」
さやか「…………」
杏子 「…………ばかやろう」
(ファイナルステージにて)
さやか「あんた……最初からあたしを嵌めるつもりだったの?」
キリカ「ちょっと違うかなぁ? この場合は”あんた”じゃなくて”あんたたち”って言うべきだね」
さやか「どういうこと……?」
キリカ「あれ、気付いてない? やっぱりキミはバカだね。実はね、私と佐倉杏子、組んでたんだよ。このゲームが始まってすぐにね」
さやか「杏子、あんたまさか…………」
杏子 「ま、そういうこった。あたしを恨むなよ? こういうゲームなんだからさ」
さやか「あんた………………!!」
キリカ「カワイソウにね、美樹さやか。残念だけどここで終わりだよ♪」
杏子 「まったく……笑っちまうよな。だってさ、騙されてるのはあんたのほうなんだぜ? 呉キリカ」
キリカ「…………ッッ!?」
杏子 「あたしはたしかに赤は投票しなかった。でもそれはさやかを裏切ったからじゃない。投票室にこれが落ちてたからさ」
キリカ「それは……ヘアピン?」
杏子 「さっきのピリオド、さやかはあんたの後に投票室に入った。その時に気付いたんだろうよ。
呉キリカは誰の赤林檎も持ってないってな。それをあたしに教えるためにワザと投票室の目立つ場所にヘアピンを置いたんだ」
さやか「そういうこと。あたしさ、何となく分かっちゃうんだよね。あんたが嘘ついてたってこと」
杏子 「あんたの負けさ、キリカ。あんた、ゲームが始まってすぐにあたしと手を組んだよな? 残念だったね。
あたしとさやかはこのゲームが始まる前から手を組んでたのさ」
なんとなく658の別バージョンを作ってみました。
こういう感じの杏さやも見てみたいですね。