07/01/14 18:17:16 23gHyVrJ0
あれから、もう何年経つだろう・・・
俺は今、一冊のアルバムを眺めている。
しかしそれは手にする事はできないが、こうして瞼を閉じていれば数々のページが
鮮明に浮かび上がってくる。
おそらくあいつの中にも、同じアルバムがあるに違いない。
八十八学園三年生三学期の始業式の日に告白された時から、俺のその後の人生は
確定したと言っても過言ではない。
俺はあの時から自分の気持ちに素直になって、生きてゆく事を決めた。
俺はあいつと共に、無事に八十八学園を卒業する事ができ、その後の進路はあいつの
後を追うように、これまでやってきた。
いろいろ苦労した時もあったけど、いつだってあいつが側にいて支えになってくれた。
そして、俺達はゴールイン。
あいつの幼い頃からの夢が叶った事になるわけだ。
しかし、まさか俺達と全く同時期に親父があの人と再婚するとは夢にも思わなかったけど。
とにかく、そうしてあいつと共に歩んできた全ての軌跡が、今でも走馬灯のように甦る。
その時確かに、俺とあいつはそこにいた。
あの青春の日々は、二度と経験することは無いだろう・・・
(終)