07/01/06 01:14:06 7qCfpNrq0
日記が遅れ気味ではあるが、ここで3日の日の出来事を追記しておきたい。
この日は唯のやつ、いつになく様子がおかしかった。よく西御寺からかかってきた電話をもう
取らないと言い出したかと思えば、一緒に西御寺と遭った時に突然奴の目前で俺に対して
自分をナンパしてほしいだの何だのと言いやがる。西御寺は、唯に相手にされなかった事に
愕然とし、このままでは済まさないと捨て台詞を残して立ち去った。
夕方、部屋に帰ってくると電話が鳴った。取ると、声の主は誰だか判らないが女の子の声で
「ステーションホテルのロビーで待っています」といって電話は切れた。俺は指定の場所へ
行ってみるが、俺を呼んだらしい女の子はどこにも見当たらない。するとロビーの向こうに
肩を並べて歩く見覚えのある人影を見かけた。唯と西御寺だった。何故こんなところに?
二人はエレベータの中に消えていった。俺は気になって、ロビーでしばらく待つ事にした。
やがて二人が戻ってきたが、唯は俺に気づきとても驚いた感じだった。西御寺は何やら意味
ありげな笑みを浮かべ、信じられない事を口にした。唯のやつと一緒にホテルの一室で、
楽しい一時を過ごしてきたのだ、と。俺は何故だか急にいたたまれない気持ちになり、ロビー
を後にした。
帰宅すると、家の前に唯がいた。弁解など聞きたくなかった。唯がどこで何をしようが俺には
関係ない。唯は「自分の事を信じてくれないんだ」と言い捨て、どこかに行ってしまった。もう
夜の11時近くだった。こんな遅い時間だし、そう遠くへは行くまい。近くの八十八公園の辺り
にでも居るに違いない。世話の焼けるやつだと思いながら俺は公園へ向かった。
(続く)