06/12/24 19:25:50 xuj5+KTe0
今日はクリスマスイブだ。
唯のやつは西御寺のパーティに行くそうだが、俺には関係ない。
そういや花園保育園に来ていたあのひろしとかいうガキが俺はどうも気になっていた。
両親が仕事で毎年クリスマスは家でひとりぼっち、サンタが居るという事が信じられず、
保育園が休みになっても来るんだ、って愛美さんを困らせていたよな。
気がつくと俺は学校の演劇部の倉庫の前に来ていた。
確かここにサンタの衣装があった筈だ。中に入り探してみると・・・あった。
・・・・ちょっと待て。俺はいったい何をやっているんだ?
あのひろしとかいうガキの為に・・・サンタになろうとしているのか?
理由ははっきりしなかったが、とにかく俺は行動せずにはいられなかった。
さて、サンタにはプレゼントが付き物だ。あのガキが欲しがっているぺんぐぅのビデオは
如月町のスタジオATARUで売っているだろう。とは言えこの衣装はかなりの大荷物で
持っていくのは大変だ。俺は一端手ぶらで如月町へ向かい、スタジオATARUのショップで
プレゼント購入を済ませ、その後またここに戻ってくることにした。
我ながらなんでこんな事をしているんだろうと思うが、とにかくサンタの準備は全て整った。
日も暮れた夕方、保育園へ向かうと・・・いた。あのガキが。
俺はサンタの衣装に着替え、サンタになりきってガキのもとに向かったが俺の事に気づいて
くれない。俺がサンタの口調でプレゼントの事を切り出すとようやく気づいてくれた。
無事にプレゼントを渡し、サンタが居る事もどうやら信じてもらえたようで俺はホッとした。
帰ろうとする俺を何故か執拗に呼び止めるので適当にごまかしてその場から逃げ出した。
その矢先、保育園の入り口のところで愛美さんとバッタリ会ってしまった。
あのガキの事が心配になってやって来たのだろう。俺は正体がバレてはまずいと思って
即座に逃げ出し、気がつくと天道のアパートに来ていた。しかし一難去ってまた一難。
今度は天道の奴に出くわしてしまった。奴は俺を本物のサンタと思って話しかけてきたが、
喋っているうちについ地が出てしまい、正体がバレてしまう。そしたらどういう訳か天道が
サンタの衣装をよこせというので奴にその衣装を押し付け、俺は家に帰った。