07/03/17 11:28:34 Oi/m23XM0
僕が実の妹に両腕を切断されてから数日もたつ。
身体的痛みはだいぶ引いてきたけど、精神的傷は全く癒える気配がなかった。
「はい、お兄ちゃん、あーんして」
妹が僕の口元に箸を運ぶ。しかし僕は口を開けようとはしない。
「もう、お兄ちゃん、ちゃんと食べなきゃダメだよ」
それでも僕は動かなかった。
「もしかして怒ってる?」
「でもお兄ちゃんの為なんだからね。お兄ちゃんが優しいからって、
またあの女みたいな悪い虫がつかないようにしたんだから」
あの女――僕の同窓生。彼女は殺されても文句の言えない様な事を
僕にしたんだろうか。
「もう、しょうがないんだからぁ」
妹はクスッと笑うと今度は自分の口に箸を運んだ。
しばらく咀嚼した後、顔を近づけてきた。
何をする気か予想がついたけど、両腕がなく、足をベッドに
縛り付けられている僕には避けようがなかった。
「ん――」
妹は舌で僕の口を開け、料理を流し込んだ。
噛み砕かれた料理と、彼女の唾液が喉を通っていく。
料理がなくなっても妹は唇を離さず僕の口内を啜り続けた。
「ぷっ――」
やっと口を離すと、微笑みながら僕を見つめる。
「もう、お兄ちゃんってホント私がいないと何も出来ないんだから」
「トイレもお風呂も、オナニーだって出来ないもんね。でも安心して。
あの女と違って私はずっとお兄ちゃんと一緒にいるから」
妹はそう言うとまた料理に手を伸ばした。
僕はこの運命をただ受け入れるしかなかった。