06/11/23 01:33:59 q8F4ui2g
君がこの手記を読む頃には、私はもうこの世にいないかもしれない。
ある時私はふとしたことから「かのうじ」の存在を知り、好奇心からその正体を探ろうと
考えてしまった。それが、こんなことになろうとは。おお、神よ―! わが魂をお救いくださいますように。
きっかけは、私の親友が「かのうじ」に憑かれたらしいことだった。
あんなに生き生きとしていた彼女が日に日に憔悴していくように見え―
そしてある日、「かのうじ? あんな奴、もう知らないわ」と吐き捨てるように呟いた。
その時の彼女の目はギラギラと光り、明らかに正気を失っていた。
親友をこんな風にしてしまった「かのうじ」の正体を突き止めるため、私は行動を開始した。
その時は、それがどんなに危険な行為であるか分かっていなかったのだ。
ミスカトニック大学図書館の蔵書、民明書房刊の古書などの資料を探っていくうち、
私は「かのうじ」が予想以上に邪悪にして強大な存在で、
この世界の裏側に深く浸透していることを思い知らされた。
しかし、その時にはもはや後戻りはできなかった。
私は既に彼女のためでなく、自分自身の好奇心を満たすために行動していたのだ。