07/12/18 19:04:38
「なんだってぼくは天皇家の血なんかひいて生まれてきてしまったんだろう。
しかも、まったくの傍流だっていうのに。運命のいたずらで、とうとうぼくしか
いなくなってしまうなんて、何ていうことだろう。
イヤだよ。
ぼくは、天皇なんてものになるのだけは、ほんとうに死んでもいやだ。
そのくらいだったら、いっそほんとうに東京タワーのてっぺんから飛び降りてしまいたいくらいだ」
「お前はいったい、何がそれほどいやなのだ。天皇ともなれば、それなりの権限は与えられよう。
少しは、おのれのしたいように行動できるよう、皇室典範を少しはゆるめたり、かえたり、
もしもおのれを天皇にしたいのなら、ちょっとはそのために協力してくれ、と頼んでみることも
できるのではないのか?」
「無理、無理、絶対無理だ、そんなの。他ならまだしも、皇室だよ!ちゃんとものごとがひとつ
決まるまでにたぶん、100回くらいの会議が必要になってくるよ。―まして、ぼくが自分に
あわせて皇室典範をかえるなんて言い出したら、じいさんたちが泡をふいて卒倒してしまうんじゃないかな」
「ぼくの持っている力は何ひとつ皇室のなかじゃあ必要はなく、ただ、ぼくのからだに流れているというだけで
何ひとつぼくの手柄でもなんでもない、「男系男子の血」とやらだけが大切なんだ!」