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サンデー毎日 12・19 兄を“叱責”した秋篠宮さまの「優等生」ぶり
ジャーナリスト 森 暢平
皇太子さまは5月10日の会見で、
「外国訪問をできなかったことも含めて、雅子もそうですけれど、私もとても
悩んだ」
との趣旨の発言をした。
〈雅子妃が海外公務を望んだのに、かなわなかった〉〈定例の公務が多く、時代の
要望に応えていないものもある〉
との主張として受け止められた。大方の国民は「皇太子ご夫妻にもっと自由を」
と感じただろう。
ただし、憲法の建前から言えば、皇太子さまの言わんとすることは若干問題が
ある。逆に秋篠宮さまの批判は的を射ているように私には聞こえる。
秋篠宮さまも会見で指摘しているが、皇族の公務とは難しいものだ。基本的に
は、公務に、天皇・皇族の希望はいれられない。極端な例を挙げれば、ある皇族
が「北朝鮮を公式訪問したい」と希望しても、実現する可能性はないだろう。こ
んな希望がかなうことになれば、外交政策が混乱に陥ってしまう。逆に、政府・
外務省が「○○国を訪問していただきたい」と決めた場合、皇室の側にそれを拒
否することはできない。
言葉は悪いが、政府、内閣の決定のままに動くのが天皇・皇族であり、秋篠宮
さまが言う「公務とは受け身的なもの」とは、まさに正論だ。
そして、今の制度が続く以上、天皇・皇族のパーソナリティー(人格)が「否定
されやすい」のは間違いない。
もちろん、外国訪問先でのお言葉など、皇族の気持ちが反映されることもある
が、それもこれも最終的には「内閣が責任を負う」建前になっている。