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胡錦濤中国国家主席は8日午前8時から、ホテルニューオータニで、中曽根康弘、
海部俊樹、森喜朗、安倍晋三の歴代首相と朝食会を開いた。靖国神社参拝をめぐり、胡主席と
遺恨を残す小泉元首相は姿をみせなかった。
胡主席はにこやかに握手を交わし、「みなさんとお会いできて大変うれしい。このように一堂に
会するのは初めてであり、かなり創造的な形だ」と謝意を表明した。
中曽根氏は「第4の政治文書である7日の日中共同声明は歴史的な意義がある。今まで
日中関係は必ずしも良好ではなかったが、共同声明により新しい展開が可能になるだろう。
双方ともに努力し合おうではないか」と来日の成果を高く評価した。
一方、安倍氏は「戦略的互恵関係の構築に向け、相互訪問を途絶えさせない関係を作って
いくことが重要だ」と述べ、小泉氏の靖国参拝をめぐり中国側が首脳交流を途絶えさせたことを
暗に批判。その上で「北京五輪を前にチベットの人権状況を憂慮している。ダライ・ラマ側との
対話再開は評価するが、五輪を行うことでチベットの人権状況が改善される結果が出ることが
重要だ」とクギを刺した。さらにウイグル問題にも触れ、東京大に留学中の平成10年に中国に
一時帰国して逮捕されたトフティ・テュニアズさんについて「彼の家族は日本にいる。無事釈放
されることを希望する」と述べた。
胡主席はトフティ氏について「私は知らないので、しっかりした法執行が行われているかどうか
調べる」と応じたが、チベット問題について言及はなかった。
安倍氏の発言を受け、会場は気まずい雰囲気が漂ったが、森氏は「アフリカではリビアを
含めた53カ国が『アフリカ合衆国』を作る動きもあるが、アジアにはない。日中間が協力して
新たな枠組みを作ってはどうか」と提案。北京五輪について「日本でもっとも成功を願って
いるのは日本体育協会会長であり日本オリンピック委員会理事である私だ。2016年の
東京五輪招致ではぜひ協力をお願いしたい」と要望した。
海部氏は東シナ海のガス田問題について「だんだんよい方向で進んでいるようなので、
ぜひその方向で進めてほしい」と要請した。(抜粋)
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