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讀賣新聞 1990年(平成2年)6月30日
社 説
共感を呼んだ秋篠宮家の門出
天皇家の二男、礼宮文仁親王と川嶋紀子さまの結婚の儀が二十九日、皇居賢所で
行われ、平成皇室初の宮様カップルが誕生した。
パレードで、沿道の市民の祝福にこたえるお二人の晴れやかな笑顔は、平和で豊か
な時代を象徴する光景だった。学習院大教授の家庭から皇室入りした、紀子さまの初
々しいほほ笑みが心に残った。
三十一年前、やはり民間から伴侶を迎えられた陛下の先例が思い出される。高度成
長前夜の岩戸景気の中、ご成婚パレードのテレビ画面を千五百万人が見守り、皇室の
新しい風を歓迎した。
岩戸景気の四十二か月を抜いて大型景気が続く今、お二人の結びつきは、ご両親の
時よりもさらに自然で、自由な雰囲気を感じさせる。それは、家庭を大切にする平成皇室
の人間的で民主的な土壌があったからこそ、実を結んだとも言える。
常々「結婚は、本人同士が十分に意思を確かめ合うことが大切」と言われている両陛
下は、お二人の自由な交際と意思を終始尊重された。学習院大職員住宅の三LDKに住
む“普通の”お嬢さんとのキャンパスの出会いと、信号待ちのプロポーズ。この新鮮でほ
ほえましいエピソードが、多くの国民の心に共感を呼んだ。