08/02/16 01:06:57 hYD40ryR0
733 :名無し職人:2008/02/01(金) 20:01:51
我が家には父が大枚はたいて入手した徳利がある
父曰く、新車一台買えるほどの値段だったという
毎日の晩酌時にも「これで飲む酒はひと味違う」と語っていた
私も母も、その言葉を信じてはいなかった
見窄らしい徳利に、そんな値が付くとはとても思えなかったのだ
特に母などは「大金をドブに捨てた」とことある事に小言を言ったものだった
そんな母の態度に、ある日ついに父が憤慨
鑑定して、自分の目の確かさを証明すると言い出し
その場で鑑定依頼の電話をしてしまった
私も母も、大した値が付くこともない 本格的に骨董にハマり出しそうだから
その気持ちを挫くことになるだろう
それぐらいに思っていました
ところが、後日訪れた鑑定士は驚きの言葉を口にしました
「確かに、これほどの逸品ならば、それぐらいの値は付くでしょう」
なんと、予想外の本物との鑑定
狂喜する父の横で、私と母はポカーン(゚Д゚)としてしまいました
ですが、その後に更に驚くことを鑑定士は口にしました
「間違いなく素晴らしいものですが…これは徳利ではなく、一輪挿しです」
今度は父もポカーン(゚Д゚) 私もポカーン(゚Д゚) 母もポカーン(゚Д゚)
結局、父の目利き具合は「微妙」と判定され
その後は迂闊に骨董に大金を使うようなことはありませんでした
件の一輪挿しは、未だに我が家の床の間に健在です