07/11/25 08:26:35 E3NRFLNQ0
両陛下、１２６５年ぶりの里帰り
11月25日7時50分配信 産経新聞
甲賀市信楽町宮町は、飯道山のふもとにある人口３００人余りの小さな盆地。
そのほぼ中心にある宮町遺跡の発掘調査で、奈良時代に聖武天皇が造営した宮都、紫香楽宮（しがらきのみや）（７４２～７４５）があったことが明らかになっている。
今月１２日、天皇、皇后両陛下が訪問され、地元の人たちは「１２６５年ぶりの里帰り」と感慨深く迎えた。（川西健士郎）
宮町に紫香楽宮があったことが分かったのは、意外に最近のこと。きっかけは昭和４８年に実施された圃場（ほじょう）整備で、水田から３本の柱根が掘り出されことだった。
柱根の年輪年代を測定したところ、紫香楽宮造営の時期とピッタリ一致。
それまで紫香楽宮の中心は約２キロ南の黄瀬、牧地区周辺と考えられていたが、宮町にも関連する遺跡がある可能性が浮上し、５９年に第１次発掘調査が実施された。
その後、平城京に次ぐ７０００点以上の木簡が出土。ここ数年の調査では、政務を行った朝堂と考えられる前殿や脇殿などの遺構も確認。
紫香楽宮の中心が宮町にあったことが揺るぎない事実となった。
そして今月１２日、全国豊かな海づくり大会出席と地方事情視察のため県内入りされた天皇皇后両陛下の宮町遺跡ご視察が実現する。
「続日本紀」には、山火事や地震などが相次いぎ、聖武天皇が紫香楽宮を離れた７４５年５月５日の条に、「天皇は恭仁（くに）京に還り、参議・従四位下の紀朝臣麻路を甲賀宮（紫香楽宮）の留守官に任じた」とあり、聖武天皇はいずれ戻るつもりで去ったことがうががえる。