07/11/01 22:23:30 na+IEEJU0
>>913
あることはありますよ。「再び永遠の彼方に消え去っていくような気がしました」、これは随分ときれいな表現だけど、
本当に彼が自分の頭で考えたのかな?その後「これは余談になりますが」からの文のつながりはなんかちぐはぐ。
渡辺みどり著「美智子皇后・みのりの秋」文春文庫 より引用
「21世紀からこんにちは、2001年○月○日の手紙」
みなさん、お元気ですか。わたくしは、今、大学で日本史を教えています。
この間、学生たちに美しい平城京の姿を知ってもらいたいと思い奈良に行って来ました。
初めに東大寺などの寺院を見ました。
ふり返ってみれば、私がこの東大寺を訪れたのは、今から三十数年前、
たぶん初等科四年のころだったと思います。
幸いに、大仏も四天王も当時と変わらず大切に保存されています。
ふくうけんじゃくの美しい姿も変わっていません。
ほっとして外に出れば、若草山、春日山、三笠山などが懐かしい姿を見せています。
それをのぞんでいるとどこからともなく、
天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出し月かも
という歌が私の耳をかすめ、再び永遠の彼方に消え去っていくような気がしました。
空を見上げれば、雲一つありません。
この晴れ渡った空を昔の人はどう思ったのでしょうか。
私はあれやこれやのことを「奈良見物記」という題で本にまとめました。
これは余談になりますが、旅先の旅館におりますと、山鳥の声が微妙に悲しげに響いてきます。
夜はマッチ棒をちりばめたような星が光っておりました。
自然はいいなあと何度思ったか知れません。
そうしている間についに帰京する日が来ました。
古い歴史を語る奈良に私はいつまでも自然や遺跡が保存されることを願ってやみません。
ではみなさま、くれぐれもおからだを大切に、さようなら。