07/06/20 13:19:44 6kUbW5nE0
勤務医の待遇を改善しろという要求は、一般大衆の誤解を招きやすいように思う。
酒場で、落ちこぼれリーマンの「給料上げろ」の愚痴と同様に受け取られている。
公立病院の勤務医の構造的な実態が、一般大衆には知られていない。
医者は一人前になるのに卒後10年、熟練医になるのに20年位かかる。
医者は職人のようなもので、親方の所(医局)に入って修練していくわけだ。
大学の医局は人材も揃っており、研究、診療、医師の教育養成を行ってきた。
しかし、日本では欧米並みの十分な研究費は支給してくれないため、
医局は若い医者を地方に派遣して、見返りに研究費を援助してもらってきた。
地方病院にしてみれば、当然、医者の給料から援助金分を引いて安い賃金にする。
若い医者は医局の意向に逆らえないから、とことんこき使って元をとろうとする。
病院の米、茄子、事務は地元の公務員だが派遣医師は援助金で買った奴隷なわけだ。
派遣医達は、今まで理不尽な厳しい労役を医局へのお礼奉公として耐え忍んできた。
ところが小泉改革と厚労省の医療費国亡論やマスゴミの煽った医者叩きによって、
大学の研究費は削られ、診療報酬は病院が維持できないほどに減らされた。
さらに新研修医制度による医局制度の崩壊と後継者の応援が来ない現場の激務増加、
マスゴミに煽られた患者の権利意識の拡大、病死に言いがかりをつけるような訴訟、
とどめは、警察が介入しての逮捕劇だろう。
ここまで制度を破壊されて、ここまで悪者にされては、誰でも辞めていくと思う。
残っている医師はさらに過重労働で、訴えられないように最小限の事しかやらない。
もし、あんたが交通事故でグチャグチャになって運び込まれた時に、こうすれば、
助かるかもしれないが、後遺症が残ったと訴えられたら面倒だから治療はここまで
にしようってなっていくが、それでもいいのかな。
国は医療から撤退している。
国は国民の批判を受けないようにマスゴミを使って医者に批判が向くようにしてきた。
医療制度を立て直して必要な金を出さないと国民はまともな医療が受けられなくなる。