07/05/23 22:42:52 SZVL3HrC0
債務で見れば決して財政危機ではないのに、日本は粗債務だけで財政状態を見て、
財政危機だと宣言しています。それに対して、海外では的はずれと
思われているのです。これについては論より証拠で、こんな話があります。
橋本元首相が緊縮財政を実行することを決めた一九九七年三月に、
アメリカの副大統領だったゴア氏が来日しました。
同氏は「日本はどうして緊縮財政をとるのか」と橋本元首相に疑問を呈しました。
これはゴア副大統領が、日本の財政事情を純債務で把握していたからでしょう。
現在のデフレは、一九九七年の橋本財政改革が発端です。この大増税政策は
大失敗に終わりました。株価は暴落、不良債権は増加、
外資による銀行株の叩き売り、大手証券会社と銀行の破綻といった大混乱が生じ、
金融が恐慌的局面にまで陥ってしまったのです。
その後、橋本元首相は、二〇〇一年四月の自民党総裁選挙で
自身の財政改革が間違っていたことを認め、国民に深く謝罪しました。
政治家として、自らの責任を潔く認めることができた点は
立派な態度であったと思います。しかし、これを立案した関係者、
支援した識者達はどうなったのかと言えば、謝罪しないばかりか、
その後も前と同じように、今度は小泉緊縮財政を支援しているというのが現状です。
増税をすれば名目GDPが縮小し、デフレがさらに進んで経済規模が縮小します。
必然的に税収も減少します。減少すればさらに増税に走らざるをえなくなります。
この間、株価はどんどん下落し、不良債権が増加していくことでしょう。
そうなれば金融システム不安が再発し、円安が進んで後ろ向きの財政支出が
必要になってきます。このように、政府が粗債務だけにとらわれて
緊縮財政と増税をくり返せば、日本は国家の危機に陥ります。
まさに、増税と緊縮財政の悪循環となるのです
菊地英博 (文京学院大学教授)
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