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■後期高齢者医療制度とは?
〈問い〉 現在、健康保険や国民健康保険の扶養家族となっている75歳以上の人も、新しく健康保険制度が作られ、
それに加入させられることになるという話を聞きますが、
この保険制度はいつから始まり、負担はどの程度になるのでしょうか?
〈答え〉 「後期高齢者医療制度」は、昨年の医療改悪法によって導入が決められました。来年4月からスタートする予定です。
新制度が始まると、後期高齢者(75歳以上)は現在加入している国保や健保を脱退させられ、後期高齢者だけの独立保険に組み入れられます。
現行制度との大きな違いは、家族に扶養されている人を含めすべての後期高齢者が保険料の負担を求められ、
大多数が「年金天引き」で保険料を徴収されるようになることです(「天引き」対象は年金が月1万5000円以上)。
保険料額は、今後、条例で都道府県ごとに決まる予定ですが、全国平均で年7万2000円(月6000円)になると政府は試算しています。
介護保険料(全国平均4090円)とあわせると、多くの高齢者が、毎月1万円を「天引き」されるのです。
従来、75歳以上の高齢者は、障害者や被爆者などと同じく、“保険料を滞納しても、保険証を取り上げてはならない”とされてきましたが、
今回の制度改悪により、滞納者は保険証を取り上げられ、短期保険証・資格証明書を発行されることになりました。
また、保険料は2年ごとに改定されますが、後期高齢者の数が増えるのに応じて、自動的に保険料が引きあがる仕組みもつくられています。<>
政府は、後期高齢者とそれ以下の世代で、病院・診療所に払われる診療報酬(医療の値段)を別建てにし、格差をつけようとしています。
これが導入されると、後期高齢者に手厚い医療をする病院・診療所ほど経営が悪化するようになり、
高齢者は、“粗悪医療”や“病院追い出し”をせまられることになります。
このように、「後期高齢者医療制度」は75歳以上の高齢者を他の医療保険から切り離すことで、
「保険料値上げ」か「医療内容の劣悪化」かという、どちらをとっても痛みしかない“選択”を高齢者自身にせまろうというものです。
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