07/03/11 19:44:49 DxafYQPd
夜中、私の部屋に突如現れた二人の美男
一方は頭がお花畑な金髪、全身ピアスマン、露出狂、口悪し、長身
一方は物腰穏やかな黒髪、燕尾服、張り付き笑顔、長身
何事かと呆気にとられる私をよそに何やら言い争っている
「どおすんだよぉ、怒られるの俺じゃん?こいつど~みてもブスだし」
「貴方が転送先を間違えたのでしょう?叱られて当然です
しかし…困りましたね」
なんなんだ?ブスって私のことだろうけど
「ああ~、めんどくせぇ!!、もうコイツでいい、オラ来いブス」
キューティクルの欠片もない頭髪を掻き毟っていた金髪に突然担がれた
黒髪の制止も聞かず転送を開始する金髪、次第に意識は遠くなって…
気が付くと私は魔界にいた、聞いた話によると二人は下級の使い魔で
「人間の美女を連れて来い」との上位の悪魔の命を受けたにも関わらず
金髪が転送中何らかの間違いを起こし私の部屋に出てきてしまったらしい
当然のごとく上位の悪魔のお気に召さなかった私はお役目御免となり
わざわざ人間界に戻すのも面倒なので奇妙な二人に飼われることになった
その日から私の名前は【ポチ公】金髪がつけた
でも黒髪は【タマ】の方が女の子らしくて可愛いと言う
金髪は私に自分のピアスを一つくれた、しかも舌に、まだピリピリする
黒髪は私に首輪をくれた、金髪には内緒だが内側にタマの名前入り
二人は互いに私の名前を譲らない
「だぁからぁ、ポチ公だって言ってんだろ~?見てみろ、コイツの顔
野良犬以外の何者でもねぇだろうがよ」
「貴方は貴方で好きに呼べばいいじゃないですか、ねぇタマ?」
こういうときは曖昧に笑っておくのが一番だ
「あ~?んだよ、ポチ公、ブスがヘラヘラしてんじゃねーっつうの!」
金髪に軽く蹴りを入れられよろめく私を黒髪が受け止めてくれる
「やめてください、タマが脅えているじゃないですか」
みたいに、いつまでも幸せお馬鹿な三人組ってのが最近寝る前の妄想
後に二人のバトルがあったり、私が原因で上位悪魔の反感を買い
魔界を追われる身になったりする……キモっ!