07/03/10 23:15:56 gQC9QpBq
私の場合はストレスが溜まってくると意思が人界から離れる。
イメージとしては、山奥に棲む妖怪。妖狐とか。
それにしても、調子に乗って書いてたら馬鹿みたく長くなった…。
でもせっかくだから書き込む。
…春が近づく今日この頃。峠に吹く夜風もそろそろ温かい。
木に登り、遠くにある町並みの光を見下ろす。
あそこにはたくさんの人間たちが居る。
正直なところ、ボクは人間が好きだ。
人間ほど愛嬌があって、賢くて、愚かで、暖かくて、残酷な存在を他に知らない。
変化の術を覚えたボクがこうして人間の姿をしているのも、それが理由だ。
でも耳と尻尾は隠さない。特に、他の仲間たちより一回り大きいふかふかの尻尾は、ちょっと自慢なんだ。口には出さないけどね。
それに…ボクはあくまでも狐だ。人間じゃない。
…そんな事を考えていると、山道を歩く人影が見えた。暗くて良く分からないけど、風下に回ってにおいから判断するに多分女の人。
こんな夜遅くにこんなところを歩く人間は、せいぜい犯罪者か…何にせよあまり世に出てこないタイプの人間だ。
何せここには街灯すらない、はっきり言って普通の人間が入り込む場所じゃないのだ。
そんな面白い人間を、ボクが放っておくはずがない――