07/02/02 16:45:57 qGEEEDdj
彼女がずっーといなかった。でも、はじめて友達になれたのはあまり
モテそうな風貌じゃない彼女。いつも控えめで可愛いとはいえない。
食事はあまりおいしくはないし、掃除もあまりテキパキとする方ではない。
でもぼくが彼女を見初めたのは何事にも一生懸命取り組む熱意に惹かれた。
ぼくは転勤で彼女としばらく離れ離れになってしまうことになった。
そしてぼくが旅立つ時、駅のホームは彼女は泣いていた。ふと「恋人よー
ぼくは旅立つー」の太田裕美の曲の歌詞が頭に浮かんだ。
ぼくはそのままあの都会の色に染まってしまうのだろうか?不安でいっぱいだった
電車に乗り込んだ。彼女はうつむいたまま。電車の扉が閉まりぼくは「好きだ!」
と彼女に叫んだ。しかしむなしく顔を合わせることなく電車は発った。
あれから、一年後。ケータイの着信履歴から彼女に電話をしてみた。懐かしい
話で弾み長電話に。好きな人が出来たらしい。照れ屋の彼女は誰に恋焦がれて
いるのか教えてくれない。電話を切った。電話のベルが鳴る。「もしもし」
「あっ!ごめんね。。伝えたいことがあるんだけど。やっぱり・・」
「えっ?やっぱり何?」「あなたの傍に居たい。あなたが好き」小さい声で
震えるように言った彼女。ぼくはとても愛おしく思えた。このまま明け方まで
語り通した。
「長かったわね」彼女が言う。私達夫婦は金婚式を迎えた。孫達に祝って貰い
幸せな気分である。しかし、あの彼女の告白が無ければここまで楽しい家庭生活
を迎えることが出来なかったであろう。「百歳まで長生きしてね」孫達の
言葉が心に染みた。
という妄想。