05/01/20 23:16:48
564より続く
えっとですね、ちょっと、友達と飲んでまして。
「ああ、そう。友達と飲んでたのか。ボクもね、飲んでるよ。なんだか気持ちいい夜だよね。
もう春だものね。」
尾崎はゆっくりと漆黒の空を見上げながら呟くように、いやささやきながら唄うように、
そう口にした。飲んでいるとはいうものの、目線は定まっており、それほどひどく酔っている
ようには見えなかった。顔色も少し赤みがかかり、もしかしたら、頼りない街灯の灯りのせい
かもしれないが、尾崎の目は引き込まれるような鳶色(とびいろ)をしていた。