04/11/09 23:20:40 yb3SL7VS
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引き揚げ婦女子の悲劇(後編の四)
(略)・・・
それでも渡辺家が早い時期に帰国できたのは幸運だった。満州奥地から引き揚
げて来た人、ソ連軍の侵攻と引き揚げが重なった人たちは悲惨だった。ソ連兵や
現地の中国人は無抵抗の日本の民間人に掠奪と暴行の限りを加えた。集団は散り
散りになり、飢えと疾病で多くの人の命が失われた。中でも日本人婦女子の惨状
は想像を絶するものがあった。特にソ連兵は日本人の女性とみれば見さかいなく
襲いかかった。殆どが銃口を突きつけての強姦、輪姦であり、その実態について
の記録は数多く残されている。ソ連兵は満州だけでなく欧州においても、現地の
住民を対象にしたレイプで性欲を処理するのが慣行であった。
ようやく満州から陸路朝鮮に入り、半島を南下するに際しここで再び現地人男
性による凌辱が繰り返されたのである。不法妊娠者の数から医師の試算するとこ
ろでは、被害者は少女から中年婦人に至るまで約5,000人に及んだと推定さ
れる。
日本国内では、「戦争と性」が語られるとき被害者は善良なアジア人、加害者
は必ず悪辣な日本人と言う呪縛の構図が出来上がっている。しかしその逆も数多
く有ったのだと言う事実に対しては、うっかり口にできない重苦しい空気が澱ん
でいる。事実の認識が歪められている社会では「戦争」の現実を見る眼も曇らざ
るを得ないだろうし、性欲を処理する仕方に於て日本人も外国人も変わりが無
かったと言う、至極当り前な事実でさえ見えなくなってしまうのだ。有るがまま
に歴史を見る眼が日本の政治家やマスコミに少しでもあったなら、慰安婦問題、
戦後補償、謝罪等の論議はもっとバランスのとれた、国民の良識で納得できる方
向に展開していたことだろう。