04/10/30 09:37:21 K7Id5DCO
>>318
最近読んだ本に、中西輝政「大英帝国衰亡史」(PHP文庫)があるんだけど、面白いよ。
大英帝国は最盛期には世界の陸地の4分の1と世界の人口の6分の1を400年にわたり
支配した、まさに大帝国なんだけど、その大国がいかに築かれ維持されていたのか考察している。
その大帝国が維持されていくのに重要な働きをしたのはエリートの存在。
「世襲によるかどうかは別にして、まず何らかの意味での貴族の存在が許されない社会に
剛直なエリートのキャラクターは生まれえない」
つまり特別扱いの貴族(保守勢力)などのエリートの存在がないと大国は維持できない
と言っているのです。
イギリスでは金持ちになった人は田舎で農園主になると言う習慣があります。すると、
土地を守り地域の体制を守るためには国を守らなければならないと言う意識が生まれるのです。
もう一つ重要なのが国王ですら従わせる法治主義です。イギリスは文章化した憲法の存在しない
国ですから裁判の判例や慣習が法律になるため”伝統”がなおさら重要なのです。
余談ですが大英帝国を滅ぼしたのはアメリカ。第二次大戦で戦勝国なのに国土はぼろぼろ
アメリカに土地も産業も借金の形で奪われてしまう。
で、日本と同じようにクジラ肉を食って生き延びたんだそうな。