04/02/26 10:34
ACRI
1996年作品。108分。配給:東宝。監督・原案:石井竜也。原作:岩井俊二。
脚本:末谷真澄。撮影:長谷川元吉。音楽:有賀啓雄。羽岡宏平=江口洋介、
海原密=浅野忠信、藤沢亜久里=吉野公佳、飯田佳介=山下徹大、ジェシー=沖嶌美樹、
佐古田洋三=藤竜也
注目の話題作だが、人類が進化の過程で一度海に戻り人魚はその時枝分かれした種
だとする「ホモ・アクアレリウス」のアイデアが生かせず、リアリティの乏しい
ギクシャクした映画になってしまった。オーストラリアの海の美しさも、
物語がしっかりして初めて活きてくる。脚本の練り込み不足は否めない。
特に、ストーリーの柱となる海原密が人魚に変身していくという展開は、
論理的に無理がある。よほどの理由づけと高度なCGがあればリアリティを
持つのだが、両方とも及第点はやれない。人間と人魚の両者に引き裂かれる
密の苦悩を描くのなら、人魚ではなく「半魚人」的な設定が必要だ。
「人間には見てはならないものがある」というメッセージも、
それだけでは古くさい神秘主義に近い。人間の好奇心が結果として多くの生物の
生態系や先住民族の文化を破壊した事実を説明した上で、禁欲ではなく
繊細な選択、謙虚さを提示すべきだろう。
URLリンク(movie.goo.ne.jp)
↑また誤解しそうな解説。原作はスワロウテイルの人。