03/02/05 01:47 FhBDrxVY
この場ではいずれ、余すところなく全ての参考文献を紹介しますが、
そのメイン資料のひとつ・現在絶版の現代教養文庫『三菱銀行人質事件』(福田 洋著)には下記のような記述がある。
以下は事件当時、記者同士で交わされた世代論の要約です。
「梅川の奴、最後はどうするつもりや?」
30歳になったばかりの、いわゆるサツ回り記者が答える。
「本人もようわからんちゃうか?わてらの世代はマルバツ式判断の世代。それ以外の回答が出せん
イレギュラーな事態には、まるで判断が聞かなくなるんや。
大藪にかぶれて、金の工面のために真似して銀行強盗。せやけど予想だにせず、警察が飛び込んできて思わず発砲。
結局行き当たりばったりで行員殺して篭城やっとるんちゃうか?」
ベテラン記者がこれに答える。
「今の30代は劇画世代でもある。梅川がやってるのは劇画やろ?
権力者を暴力でぶっ潰す、手に入れたいモンは強奪する・・・筋通った思想や世界観やなしに、
欲しいから奪う、邪魔やから踏みにじる、ダーティーヒーローの世界やな。
梅川の部屋にはヒトラーやニーチェの本がぎょうさんあったらしい。そんな本棚の下で猟銃だいてヒロイズムに浸る男。
劇画のヒーローや。そんな奴が銀行に押し入り、ポリに撃たれたから撃ち返した。劇画の世界やから、こんなリアクションも、
極めて自然な反応。ナルシズムの中にどっぷり浸って、自分がどうしたらええのかなんて、考えておらんのやろ。」
・・・前後関係から察するに、梅川篭城1~2日目の辺りでしょうか。
続きはまた後日。