02/12/16 12:50 V6InHZu9
梅川を悪の象徴として描き出すのか、それとも、梅川の個人的な極悪さを描き出すのか、視点によって描き方と捉え方は違ってくるでしょう。
そもそも、見るにも聞くにも耐えない残虐行為というものは、古くから悪徳専制君主によって行われてきています。
それらと比較して、なお遜色なき絶対悪を梅川の言動や人となりの中から、どれだけ浮き彫りに出来るかが課題だろうと思います。
この点については、ルポさんなりにこれまで様々なアプローチを試みたり、検討したりしてきたのではないかと思う。
単に悪辣な行為の事実を羅列していくだけでは、下卑た悪趣味になりかねず、かといってプロファイリングに終始したのでは、いつまでも観念的な領域から出ることはできません。
そうした場合、テレビのワイドショーなどが用いる常套手段は、被害者の感情に迫ることでしょう。
被害者への同情心と、犯罪者への憎悪感を反比例させる図式です。
一方、映画的手法を取るならば、梅川の意外な善人としての一面や、同情すべき側面を描き出して意外性を持たせておきながら、最後にはやはり悪人として、観客に憎悪感を喚起する表現手法もありますね。
今後、犯罪者・梅川を通じて絶対悪というものがどのようにして描き出されていくのか、関心を持って拝見させていただきます。