【破滅 - 梅川昭美と三菱銀行人質事件の真実】at MIDDLE
【破滅 - 梅川昭美と三菱銀行人質事件の真実】 - 暇つぶし2ch185:野次馬
02/10/31 22:13 qLUcUvuq
>>183
おっと失礼!同じことを書いちゃいましたね!
ルポライターさんに質問があります。
この母静子の生い立ちについて何かご存知ですか?
僕は、変な意味合いでなく、彼女が被差別地域の出身のような気がするのです。
何かの書物にそれを匂わせたような事が書かれており、梅川もそこの部分を引きずっていた。
無学で文盲というのは、この静子の時代、なにも被差別地域に限った事ではなく、
貧農であれば珍しいことではなかったようにも思います。
ただ梅川がこの母を守るべき聖域であると僕が書いた裏には、
小学校もロクに出ていない字も満足に書けない母親を、世間の好奇な目から守り、
また隠すべき存在であったとも受け取っているのですが、どうでしょうか?

186:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/10/31 22:38 5AVEhJcv
>>185
静子の出生等については、残念ながら明るくありません。
まぁ、梅川自身は親孝行な面もあったと認識はしていますがね。

・・・でも、旗揚げ以来、初の対話型進行ですかねぇ(笑)。


187:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/01 00:07 n4MaIWaB
>>ALL
本日体調不調ならびに11/2,3,4予定のルポ準備のため、本日は
これにて失礼いたします。

>>野次馬サン、奉先の一睨みサン
申し訳ありません、続きは明日です・・・。

188:櫻澤 ◆HYDE/OJQqg
02/11/01 00:12 vKlYeSLF
ルポライターさんお大事になさってくださいねえー!!
楽しみに(というと語弊があるんですけれども)お待ちしています

189:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/01 00:24 n4MaIWaB
>>188
ごめんなさいね・・・。
でも貴方、どこかで見たような・・・?

190:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/01 10:23 ARUADQ7+
父は三菱レーヨンの元配管工で、後に体調を崩し易者に転職。
母は、あるいは被差別地域出身。
息子は後に、三菱銀行を襲撃。

点と点が妙にダイレクトに結びつきそうです…。
野次馬さんの仮説に、重要なポイントがありそうですね。
少年期に犯罪を犯した梅川は、幼少期には一瞬たりとも家庭の幸福に浴したことはないのでしょうか…

191:野次馬
02/11/01 11:56 krMKPwEW
>>190
僕が梅川事件に興味を持ったきっかけは多々あります。
全てにおいて劇画チックなストーリー
ビジュアル面を含めた悪役としての梅川のキャラクター
そして最後は射殺というかたちで幕を下ろす完結な展開
起承転結がはっきりしているんですね。
しかし今、最も僕の心に残っているのは、警察に付き添われ説得に来た老母静子の哀れな姿です。
最後に「もうこれ以上迷惑はかけられん、息子を殺してください」と言った老母。
危篤の梅川が運ばれた病院の廊下でぽつりと「もう息子はあかんのですかいのぉ」と呟いた老母。
歳をとってからの一人息子の説得に書けぬ文字を必死で手紙にしたためようとした老母。
この老母の気持ちを慮ると、今でも心が痛くなってきます。
映画Tatooありのオープニングで、老母が遺骨を抱え独り駅に佇むシーンを見た頃からでしょうか
僕の静子に対する気持ちが強まって来たのは。


192:野次馬
02/11/01 15:24 bFvt4XAh
>>191
失礼
TatooではなくTattoo
あの映画、ビデオ化されていないんでしょうか?
なんだか無性に見たくなってきました。

193:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/01 16:03 ARUADQ7+
切なくなる映画ですよね。特に、竜童のテーマソングが良い。
あのシングルCDでも手に入らないものか……

194:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/02 00:26 UBcRBodd
ええ、ずーっと読んでるんですよ。

195:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/02 00:26 UBcRBodd
195

196:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 00:30 xb+Yr+Iw
>>195 ◆IyApGKf56Qサン

・・・深夜また書くので、濃厚な内容にしてくださいw
あ、でも195getおめでとうございます!きしくも、ですね。

いや、読んでくれているだけでも、私にとっては何よりです。
・・・も少し夜更けたら、書きますよ。

で、明日は・・・ルポルタージュ再開します!!>ALL

197:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/02 00:33 UBcRBodd
例えばね、立てこもり。
金嬉老と連赤がありますね。
私、金の場合の民族的理由付けはあとからとってつけたようなもんだと思っております。
梅川は他の立てこもりと自分を比較して、なんか言ってますかね?
比較対照すると、なんか面白そうです。
他にも立てこもりってありましたかね?有名事件・・・。

198:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 00:38 xb+Yr+Iw
>>197 195 ◆IyApGKf56Qサン
1970年の瀬戸内海でのシージャック事件や、
1977年長崎市内でのバスジャック事件などは?

199:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/02 00:43 UBcRBodd
こういう感じ。
ゴルフ始めた奴がひょんな事から激レアの骨董的名クラブを手に入れる。
その後、そいつはゴルフじゃなくゴルフクラブ収集が目的になっちまう。

梅川の場合はどうだったんでしょうかね?
ってことを聞きたかったのです。
自慰的な示威行為が目的化していったのはどの段階からでしょうかね?
ってな感じ。

200:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 00:48 xb+Yr+Iw
>>199 195 ◆IyApGKf56Qサン

・・・銀行周辺が完全に包囲され、逃げ場がなくなった段階、と、
私は認識していますよ。「死」が現実のものとなった段階。

梅川自身は他者との比較よりも、30代に突入した焦りから、
何であれ大きなことをしたい、と思っていた事が行動原理の一つでは
なかったか、というのは・・・さんざん既出ですかね?

201:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/02 00:54 UBcRBodd
金嬉老事件
金は実弾1200発とダイナマイト13本を車に積んでおり、どこかに篭城して積年の怨みを晴らそうと考えた。そこで、「ふじみや旅館」に目をつけた。それは、前が広場になっていて、見晴らしがよく、下から登ってくる者がよく見えたからだった。
午後9時すぎ、金は「ふじみや旅館」に入り込み、旅館の家族6人と宿泊客10人の計16人を2階に集めて人質にとった。
その後、清水署に電話をかけ、「さっき、クラブ『みんくす』で起こった事件は俺がやった。名前は言えないが、処置は自分でつけるから安心しろ」と言った。
翌21日午前0時10分ごろ、再び、清水署に電話を入れ、自分の居場所を教えた。
午前2時すぎ、静岡新聞にも、「俺は清水で人を殺した金だが・・・・・・」と電話し、経緯を説明した。このとき、知り合いの掛川署の大橋巡査と清水署の西尾刑事部長となら会ってもいいと言った。
午前8時、大橋と西尾の2人の警察官が「ふじみや旅館」に入って話し合った。金の要求は、清水署の小泉刑事が朝鮮人差別発言をしたことについて謝罪することと、静岡新聞とNHKの記者と会見させることの2つであった。
金は「生きるのには、もう嫌気がさしてる。2つの要求を聞いてくれれば、死をもって、騒動を起こした責任をとる」と言った。




202:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 00:57 xb+Yr+Iw
>>201
ありがとうございます。
2時くらいにまたきますね・・195◆IyApGKf56Qサン。

203:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/02 00:57 UBcRBodd
わけもわからず引用したけど、こういう展開と梅川展開をちょっと比較してみたく思ったのであります。

204:Ken ◆GaudiCj2IE
02/11/02 03:22 chrwb0eX
 全発言をプリント・アウトし、改めて読み返してみました・・・疲れた~(w

 で、その中で個人的興味を引いたのは、犯人のプロファイルや関わった様々な人間の
心理描写はさて置き、「危機管理」と言う点です。

 ロシアの篭城事件で突入の結果、100名以上の一般市民が亡くなると言う痛ましい
顛末になったのは記憶に新しいところですが、例えば当時、説得と言う政治的を取り
つつも、反面大阪府警は強行策に対しどういう作戦立案をしていたのか?その時の
損失率(FBIの場合だと約10%と見積もっている、と聞きますが)はどの程度、予測
していたのか?まさか「無血開城」なんてお目出度い事を考えていたのではあるまい
な?等々。

 とかく犯人の心理や生い立ちなどがクローズアップされがちなこの事件(たしかに
それだけで本が書けると思うが)ですが、テロ事件(あえてこう言う表現をとります)と
捉えた場合、セオリーである犯人の目と耳を奪う(情報統制、マスコミの報道規制等)
と言う点において、大阪府警は見事としか言い様が無いくらいに後手を踏んでいた&
基本を逸脱していたと思うのですよ・・・実際に犯人はラジオを聞いていたのですから。

 この点は先日2ちゃんで大騒ぎになった「西鉄バス ハイジャック事件」でも改善
されている雰囲気は無く、もしこの手の事件が再度起こった場合、警察が取るべき
及第点の解決方法は(最善は無いと考えますので)?不測の事態が起こった場合、
企業としての危機管理システムは?また取るべき行動は?考えただけで寒気を
覚えます。

 現在のこのスレの主流とは外れますが、是非この点もお話いただければ幸いです
<ルポライター殿。しかし、当時の三菱銀行の対応・・・通常の企業運営として捉え
れば正常な判断かもしれませんが、状況判断や人道的側面を考えると・・・最低を
通り越して、笑いしか出ませんね(苦笑)。

205:Ken ◆GaudiCj2IE
02/11/02 03:27 chrwb0eX
訂正です。

「政治的を」 → 「政治的手法を」

失礼致しました。

206:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 06:50 xb+Yr+Iw
>>204-205 Kenサン
ありがとうございます。ご希望の点については折に触れて。
>ALL
申し訳ありません・・・2時に来られませんでした事をお詫びいたします。
言い訳しても仕方ありません。もうルポルタージュの準備に入ります。

開始は恐らく、深夜にならぬ程度の夜中になると思います。

207:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/02 09:53 bz14N2S7
この事件が、戦史に見られる籠城戦のようなものであれば、攻め方もいろいろとあったでしょう。

しかし、人質の無傷解放を大前提にした上で、自死も辞さぬ覚悟をした犯人を相手にしたのでは、解決は容易ではないでしょう。
その意味では、ペルー大使館人質事件での突入作戦は、参考になるのではないかと思うのですが。

208:野次馬
02/11/02 11:33 SpnSAbdB
>>197 私、金の場合の民族的理由付けはあとからとってつけたようなもんだと思っております。

そうですよね?僕の中で金嬉老事件は、借金の取立てに来た暴力団員を殺し、
逃亡の末立てこもったという極私的な事件と言った認識しかないのですが、
間違っていれば教えてください。
むしろ近年、金嬉老が釈放されるに当たって、
韓国では民族運動の英雄的扱いをされている事を知り、逆に驚きました。
さぞかしあの金嬉老も人畜無害の爺さんと化して出てくるのかと思いきや、
颯爽とした足取りと、ランランと光る眼を見た時は、ぞっとしました。
何かを仕出かしそうな迫力を感じました。
こんなの出して大丈夫なのか?という不安は誰もが感じたと思います。
その後、韓国にてその不安は傷害事件という形で見事的中しました。
テレビに映し出された顔面血まみれの金嬉老には狂気すら感じました。
脱線してすみません。


209:大人の名無しさん
02/11/02 14:23 TNQp2Q1Q
長期篭城事件では、浅間山荘が戦後最大の事件のように語られるが、昭和39年
生まれ今年37歳の俺にとってはこの事件のほうがリアル厨房で接しただけに
強い印象が残っている。ちなみに俺は横田めぐみさんと同じ歳なわけだが彼女は
この事件を知らないんだな。

210:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 14:25 Vg17q/rv
>>209
ありがとうございます。
・・・ただし次回はsageでお願いします。よろしければ。

211:大人の名無しさん
02/11/02 14:30 ix7ssrGB
この事件に関しては読売新聞阪神支局社会部の部長だった黒田清氏(故人)
の著作が詳しいです。書名失念。

212:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 14:33 Vg17q/rv
>>211
「ドキュメント新聞記者」読売新聞大阪社会部 角川書店。
当スレ>>127あたりからいろいろ触れています。

213:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 21:44 9XadsMSu

>ALL
大変申し訳ありません。

今夜のルポルタージュ開始は、0時直前となる予定です。

私の遅筆ゆえにお待たせして申し訳ございません・・・

214:大人の名無しさん
02/11/02 22:52 4ffxMy7w
待ってるよ~ん!!

215:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 22:58 9XadsMSu
『「激情」に関連して重要な反動が更にもうひとつある。裏切りと失望の傷痕を心の奥深くで味わっ
た人はまた、人生を憎みはじめ得るということである。信ずるに足る人や物がなく、善と正義に対
する信頼感がすべて愚かな妄想に終れば、人生が神よりむしろ悪魔の支配を受けているように思わ
れ――その結果、人生は憎むべきものとなり、もはや失望の苦痛にたえがたくなる。人生は悪で、
人間は悪で、自分自身は悪だ、と誰にでも証明したくなる。人生を信じ愛することに失望した人
は、こうして世にすね世間を破壊する人に変わる。この破壊性は絶望感の一種であり、人生に対す
る失望感が人生を憎悪するという結果を導いたのである。』
                          (エーリッヒ・フロム『悪について』より)

※ 今回のルポルタージュ進行は、大変緩やかなものとなります。ご了承ください。

216:大人の名無しさん
02/11/02 23:00 T1qE5uzT
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217:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:04 9XadsMSu
<<1979年1月27日>>

三菱銀行北畑支店二階にある大阪府警の前線本部では、吉田六郎府警本部長以下、全員が不眠のまま、事件発生二日目を迎えていた。
前線本部は梅川昭美に、トランジスター・ラジオという武器を与えざるを得なかったが、一方では、それ以上の武器を手にしていた。

それは梅川に関する全犯罪記録と一階における梅川の行動分析である。警察庁から送られてきた犯人像を示す犯罪記録により、
梅川という男の性向はほぼ完全につかむ事ができた。
行動分析はノゾキ孔から観察し、数秒単位で集積された。人質犯の捕捉は、わずか1秒か2秒のスキをどう突くか、にかかっている。
カップラーメンを食べるとき、梅川は左手に銃を持ち、右手のハシで一口食べては目を上げた。その間0.1秒。電話は支店長机の下に置き、
電話係の女子行員にダイヤルをまわさせ受話器をとる。0.2秒しかスキがなかった・・・。

30分、1時間単位くらいの行動パターンも、ノゾキ孔から克明に観察されて記録された。

警備陣を別にすれば、人員配置は「捕捉班」と「観察班」に二分され、この両班の連携プレーで、
犯人に対処する。観察班は前夜7時すぎから7つのノゾキ孔にへばりついたままだ。捕捉班は一階
非常口や二階の階段降り口で待機した。防弾チョッキをつけて、引き金に指を掛けてピストルを構えていた。
靴は音がするので脱いだ。

大阪府警捜査一課は120人という大所帯だが、100名が現場へ投入された。事件発生後、捜査一課は
5つの捜査本部をかかえていたが、26日夕刻、犯人が自首した貝塚署元ホステス殺人事件捜査本部を一つだけ残し、
全員が投入された。

218:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:09 9XadsMSu
ある女子行員が証言する。

「銀行のある上司と私たちとの交換の話が、犯人の方から出ました。私たちはそのとき助かるなと思いましたけど、その人からは
ノーの返事が来たようです。犯人は『お前ら、恨むんなら偉いやつらを恨め』といって、それから『最後はオナゴは助けてやる。
心配すな』と私たちの味方になってくれました。もうあんなとこ、絶対にいや」
 
彼女は極度の興奮状態に襲われ泣き出した。
 
梅川が支店長席の電話で声高に話しているのを、人質たちがは絶望の中で聞いた。一階の全員を「運命共同体」にしていた梅川は、
その連帯感をより強めただけでなく、人質たちを完全に味方にさえした。図抜けた管理術といっていい。以後女子行員たちは、二階の
階段降り口の階段を注視し、少しでも捜査員の靴がのぞくと、「こないでェ!!」と絶叫して、梅川の援護にまわった。

 以下は大阪府警・仲三男捜査官の証言である。

「梅川の銃砲歴などが判明し、これは容易ならぬ相手だと認識しました。上下二連の猟銃で、シシ弾が入っていることもほぼわかり、
ヘタな手出しはできないと思った。ピストルは素人では命中率が低いが、銃身の長い上下二連銃は命中率がきわめて高く、しかも殺傷力も
強い。一発で何人も殺せますからね。」

 前線本部がショット・ガンの威力と共に警戒したのは、梅川昭美の尋常でない性格だ。15歳のとき起こした若妻殺しに関する記録には、
こんな識別結果が付されていた。

 『知能は普通域(IQ101)にあるが、その性格は内向的で情緒が蓄積すると爆発する傾向にあり、短気かつわがままで、主観的判断に
基づいて短絡反応を示しやすい。また同情、哀れみ、良心などの高等感情に乏しい情緒欠如性の精神病質者である・・・』

前線本部は梅川の犯罪歴等のデータを入手・分析したのを境に突入態勢を一時解き、持久戦に切り替えた。

219:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:14 9XadsMSu
<<1979年1月27日 13時20分>>

【大阪府警監視】

人質の男子行員庄司逸雄<27>が、行内のトイレに現れた。
庄司は工作員に伝言する。
「犯人は非常に落ち着きを見せ、現金500万円を母親にどのように
して渡してやろうかと検討中です。拳銃は四発残っている」

220:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:23 9XadsMSu
<<1979年1月27日 13時45分>>

10時20分に、梅川静子と叔父(梅川の亡父の弟)を乗せた大阪府警のヘリコプターが現場近くの長浜公園に着陸したのを確認し、
捜査一課の伊藤忠郎管理官が梅川を呼び出し、母親が大阪へついたと知らせた。

午前に続き、2回目の説得工作がこのとき始まる。

221:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:27 9XadsMSu
年寄りのお母ちゃんが一番好きや。

せやけどな、こんなとこに連れて来てゴチャゴチャいわせたら、人質を皆殺しにしたるで。

222:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:28 9XadsMSu
梅川は異様に興奮した。伊藤管理官が梅川を電話に出す。

223:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:30 9XadsMSu
あんた、なんべんいうたら、わかるんや?

ワシに警察を近づけやがったな?

224:伊藤忠郎 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:32 9XadsMSu
どこへや?

225:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:34 9XadsMSu
階段の下や!

226:伊藤忠郎 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:35 9XadsMSu
そんなこと、絶対ないよ。

227:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:36 9XadsMSu
ワシが見とるやないか。ここの銀行員は、みんなあんたらを目の仇にしておるで。

ワシがわめき散らすと帰りよる。狙撃隊かなんか知らんが、ちゃんと見えるんやぞ。

228:伊藤忠郎 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:37 9XadsMSu
ビールを置きに行ったんだよ。

229:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:38 9XadsMSu
アホなこと言うな貴様!

230:伊藤忠郎 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:39 9XadsMSu
もしもし・・・あのね、あんたのお母さんが声だけ聞かしてくれというのや。
ちょっと聞いてくれるか?

231:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:44 9XadsMSu
・・・そりゃ、切るわ。

232:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:47 9XadsMSu
静子が受話器をとり、何度も「もしもし」と呼んだが、電話は切られていた。梅川は結局、母親と一言も話しをしなかった。
大阪府警は静子に手紙を書かせたがそれも受け取らなかった。こうして母親による説得工作は失敗した。

以下は、静子による手紙の全文である。

233:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:53 9XadsMSu
昭美

お母さんが来ていますのよ

朝のてれびで知ったのですが、おまえどうしたことをしたのです

いま、でんわをかけてもらったけれど、なんですぐ、きってしまったのか

いまそこにいるおかたを、わけをはなして、母上のたのみですから、ゆるしてあげてください

早く(人質を)だしてください、母上のたのみです、母より

234:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/02 23:56 9XadsMSu
私情(PCならびに接続状態不調等)により、いったん中断します。
再開は深夜~早朝の予定です。

235:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:24 eG8LbJ80
人質たちを監禁してから、じつに二十一時間ぶりのことだった。大きい方は前日の
夜から許していたが、ほとんど行くものはいなかった。
梅川は、セブンスターに火をつけ、一服してから、人質たちにいった。
「小便したいの、いるか」
「私も、もうがまんできんかったので、『用をたしたい』いうたら『カウンターの外側でせい』
といわれ、ロビーへ出て、かがんでしました。お客さんの人質の目の前ですけど、ああなったら
恥もなんもありません。お客さんの人質が最初にしたら、女子行員たちもしました。素っ裸で裸足
ですので、ひどく寒かった。すぐ目の前ですからおしっこの音、聞こえるし、足にもつくんです。
臭いもしましたけど、もう汚いなんていっておられません。何人かがするとたまって、流れていく
こともありませんから、そのままカウンターの下をまわって、こっち側へ流れてくる。お客さんは、
右足上げたり、左足上げたりしてよけていきましたけど、何や悲しゅうなって」
(人質の女性A子)

236:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:26 eG8LbJ80
アンモニアと死臭が暖房のよく効いた1階に充満してきた。梅川が電話をとった。

237:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:28 eG8LbJ80
今すぐ借金を払いたいところがある。500万円用意しろ。容易せんと人質を順番に殺したる。
弾丸はなんぼでも持ってるんや!

238:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:31 eG8LbJ80
<<1979年1月27日 14時45分>>
業務係長・嶋崎博<40>が501万円(注=銀行の金)を袋に入れ現地指揮本部に出頭。
「犯人の借金先7~8ヶ所に500万円を配れと命令されています。借金先から金の届いた旨の連絡がないと、
人質全員を殺すと言われています」

239:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:45 eG8LbJ80
 二階の中田幸雄支店次長<48>は当初、梅川の>>237の要求を断った。曰く「今日は土曜日だから無理だ」と。
女子行員の話では、支店内に「5000万円以上」あった。梅川は”味方”の女子行員を使い一階の現金を集めさせた。
840万円があっという間に梅川の目の前に積まれた。梅川は嶋崎を呼んだ。
「これをワシのいうところへ持って行け。警察には言うなや。いうたら人質を殺したるからな」
メモには十箇所の支払先が書かれている。梅川の借金先でバー、寿司屋などが多く、最低が5万5千円。
全部合わせて約300万円だった。
 結果的には嶋崎を使いに出した事が梅川の命取りになった。梅川がこの事件で犯した最大のミスだった。

240:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:46 eG8LbJ80
誠に勝手ながら、続きはまた夜とさせていただきます。通常通り投稿にお使いくださって結構です。

241:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/03 07:49 eG8LbJ80
>>238-240は、HNはルポライター◆UME/seXGGAの間違いであった、ということで、
ご了承願います。

242:萌 ◆gAgMIQIX.w
02/11/03 16:16 pnrmxwvg
ルポライターさん、お久し振りです。
今日は病院を抜け出して漫画喫茶に来たので立ち寄らせていただきました。
スレッド、頑張ってますね。嬉しいです。
あまり見には来られませんが、これからも頑張ってくださいね。

243:243
02/11/03 20:12 TuOP1lbN
俺は当時13だが、77年のソマリアのドイツ機ハイジャツクみたい
に特殊閃光弾をいつ投げ入れるのかと、あのころは考えていた。

244:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 01:30 hcXJmBtz
今夜は準備までもう少しかかりそうです。
すぐに開始される事を期待せずお待ちください。

245:読売新聞1979年1月28日(日曜日)朝刊1面 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:35 hcXJmBtz
ろう城二晩、必死の説得 ― 大阪猟銃強盗
人質を小刻み解放  行員25人いぜん人質

【大阪】 三菱銀行北畠支店(大阪市住吉区万代東町一の十五、森岡浩司支店長)の猟銃強盗殺人、人質事件は、二番目の二十七日夜になってもこう着状態を続け、
三日目に突入した。犯人の殺人など前科二犯、梅川昭美(三〇)は、同日午後、新たに負傷した行員など十一人を解放したが、更に行員二十五人を人質に、武装警官隊と
にらみ合っている。この間、興奮した梅川に命令された人質行員が、仲間の行員の左耳を半分切りそぐ異常な事態も発生、事件はかつてない陰惨な様相を帯びてきた。
大阪府警の捜査本部は、警察庁の指示で、人質全員の無事救出を第一に、根気よく説得工作を続ける方針だが、梅川はこれまで三十時間を越えた二十八日になっても、
はっきりした要求をしてきていないため、解決の糸口はつかめていない。また、二十七日夜、死亡した行員は森岡支店長と萩尾博さんと判明した。
(関連記事と写真3・.22・23面に.)

246:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:39 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 12時半頃>>

事件発生以来二十二時間が経過したこの頃、梅川は中年以上の男子行員三人を、一人ずつ手招きして近くへ呼んだ。
性的妄想そのままを現実世界に移し変えたようなサディスティックな行為の合間にも、梅川は金銭に関しては奇妙なまでの現実感覚を持ち実務的に対処している。
自分の死後あるいは逮捕後サラ金の借金のツケが母親に回ることを恐れて、法律的問題が残らぬ形で何とか借金が処理できないか、腐心している。人質の一部と
重傷者解放を条件に五〇〇万円要求した上で、梅川は人質の行員たちを集めてどうすれば「合法的」に債務弁済が完了した形にできるか次々に質問を浴びせた。
いい加減な事を言えば撃たれて左耳を同僚にそぎ落とされた竹内貞夫のように何をされるか知れたものではない。人質の行員たちも懸命に知恵を絞った。
そしていろいろ出た意見を集約して梅川は最終的に判断した。

最終方針、それはまず梅川昭美名義の預金口座を設ける。そこへ五〇〇万円を振り込ませる。あるいは自ら預け入れる。その上ですぐに全額払戻しを受ける。
後はその五〇〇万円を人質の行員を使ってサラ金各社へ返済に行かせる。

梅川は警察側・銀行責任者に対し、このような取引を持ちかけてきたわけである。銀行側はこの取引に応じたが、このような突飛な借金返済は、梅川の見栄っ張りな
性格を示す一面であったが、借金返済も梅川の銀行襲撃の目的の一つであったとするならば、梅川は非常に現実的な提言をしたとは言えるだろう。

かくして梅川は二階の現地本部銀行責任者に念を押し、五〇〇万円を用意した旨の返事を聞くと、梅川は得意満面に人質行員におのれ名義の預金通帳を作らせ、
五〇〇万円の預金の数字のチェックライターを打たせ、同時に同額払戻しのチェックも打たせた。念の入った事に梅川は借金返済が済んでいるかどうか、サラ金各社に
電話をかけて確認までしている。

ただしこの五〇〇万円は事件後、直ちに警察によって回収されている。

247:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:43 hcXJmBtz
こないになったんは、金を出さんかった銀行のせいや。銀行がいちばん悪い。その次に悪いのは、おれを生んだお袋やな。

万事金の世の中いうが、おれかていろいろ借金があるし、金が欲しいんや。

お前ら見たところええ齢してるし、銀行のことは何でも知っとるやろ。実はな、お袋への遺産として500万、おれの借金返済分として500万、金が欲しいんや。

金は銀行に出してもらうが、あとで警察に没収されてはなんにもならへん。それでな、没収でけへんような合法的な方法を、お前らが考えるんや。ええな?

248:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:45 hcXJmBtz
そんな方法があるわけがないのだが、頭から否定すると殺されるかもしれない。
三人の行員は止む無く、銀行が融資したという形にしたらどうかと提案したわけである。

249:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:46 hcXJmBtz
それでいこ。人質を解放するお礼として、銀行側が自由な意思で金を出したことにすれば、
恐喝や強盗にはならんやろ。お前、この線で上司の決済もらってこい。

500万円の普通預金通帳を、オレの名義で二通つくるんや。頼んだで。

250:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:48 hcXJmBtz
梅川に指示された一人が二階へあがっていった。五分後戻ってくると、中田支店次長の了解をとった旨を報告した。
梅川は頷くと送受器を取り上げ、二階の中田を呼び出して、上のように口座作成を命じた。

中田は了解の返事をした。

251:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:49 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 13時13分>>

弁当33人分が差し入れられた。
10分後梅川はその見返りとして、会社員内海節子<24>を解放した。

252:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:51 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 14時過ぎ>>

喫茶店『ダービー』に電話を入れた頃から梅川の態度は軟化しつつあった。それまで放射し続けていた狂気が消えたのだ。24時間におよぶ緊張が梅川の精神を徐々に
弛緩させてきたのかもしれない。人質たちは微妙な変化を機敏に嗅ぎわけ少々ほっとした気分になった。
健康雑誌『壮快』を愛読し、毎日腕立て伏せを欠かさず、マンションの自宅に”ぶら下がり健康器”を備えた男の体力も、一昼夜にわたる緊張の連続で疲労が積もっていたのか。
あるいはすでに死を予感していたのか。

無論篭城を決め込んだ時点で、梅川が死を覚悟した事は間違いない。何度も叫び続けた以下の言葉は、文字通り「ほんまもん」だろう。

253:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:52 hcXJmBtz
どうせオレは死刑や、そうなったらな、何人殺しても、いっしょやで!!

254:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:54 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 14時20分>>

電話が鳴った。電話係が出てクドクド喋っていたが、梅川は横から受話器を奪い取ると大声で怒鳴った。柔らぎかけていた人質の心は、一瞬で凍りついた。

255:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:55 hcXJmBtz
なんべんいうたら判るんや?お袋とは絶対に話をする気はない。帰らせえ!

256:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:55 hcXJmBtz
本部は再び説得工作に入ろうとしているらしい。はじけるような声が続いた。

257:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:56 hcXJmBtz
そないなことしたら、人質は皆殺しや。

258:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:57 hcXJmBtz
なお説得が続いたためか、梅川は冷然として言い放った。

259:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 03:58 hcXJmBtz
おれは精神異常やない。

ただ、善悪と道徳をわきまえとらんだけや。


260:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:01 hcXJmBtz
梅川は荒々しくも受話器を机上に投げ出し、発砲の態勢をとった。垣間見せた温和な表情はあとかたもなく消え、頬は引きつっている。女子行員の悲鳴が室内にこだました。
集音マイクに金切り声がビンビン響いてくる。梅川は再び受話器を取り、>>261のように喚いた。

 電話を切ると銃を構え、そこらじゅうを動き回った。机を蹴飛ばしたり、椅子を蹴り倒したりし始めた。傷ついた野獣のように梅川は苛立っていた。
この様子を見て、坂本房敏捜査一課長は説得を止めさせた。どうせ最初から結果は見えているのだ。定石通りの手続きとして行っただけなのだ。だが折角連れてきた以上、
梅川の母親・静子には気の毒だが、このまま帰すわけにはいかない。もう、坂本の胸には湿った感情はなかった。捜査官としての乾いた計算が生まれていた。

 坂本は肩を落として座っている静子の前に、便箋とボールペンを用意した。静子は坂本に促されてペンを取った。手紙など書いた事は少ない。平仮名だけはどうやら書けるが、
漢字はほとんど知らない。その上厳めしい警察官に取り囲まれている。骨ばった指はこわばり、動かなくなった。義弟(梅川の叔父)が覗き込み、小声であれこれ教えてくれた。
ノロノロとペンが動き出した。十分近くもかかってやっと一枚の便箋を書き上げた。

 書き損じであちこち黒ずんだ手紙を受け取った坂本は、梅川に電話を入れた。

261:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:02 hcXJmBtz
弾丸はなんぼでもあるんや。お袋と話をさせようとしたり、ポリを近づけたりしたら、
人質は皆殺しや。覚悟しとけ!

262:坂本房敏捜査一課長 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:03 hcXJmBtz
お袋さんに話をするのを嫌がってる言うたら、せめて手紙を渡してくれ言われて、ことづかった。
後で届けるさかい、読んでくれへんか?

263:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:04 hcXJmBtz
梅川は、唾でも吐くように言った。

264:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:05 hcXJmBtz
そんなの読む気はないで。やめとけ!

265:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:06 hcXJmBtz
人情劇もお涙芝居も通用しない相手だった。だができるだけのことはやった。
そう坂本は気持ちの整理をつけることができた。

266:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:08 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 14時30分>>

 事件発生からまる一日が経過した。

 坂本は大阪府立病院からの連絡を受けた。同病院では医師・看護婦20名が待機、輸血用血液の準備も完了、緊急電話回線も仮設し、受入れ態勢は充分である、
という内容であった。

<<1979年1月27日 14時40分>>

 梅川が二階の中田次長に電話をかけてきた。



267:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:09 hcXJmBtz
さっき言う取った金、500万円だけ現金で用意してくれ。すぐにな。

268:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:10 hcXJmBtz
中田が了承の返事をすると電話を切り、次は外線電話のダイヤルを回し始めた。

相手は浪速区の34歳のスナック店主だった。

269:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:12 hcXJmBtz
梅川や。いまからこの銀行の人に500万持たせてやる。その金でオレの借金を清算したいんや。
あんたなら借金の先はたいていわかっとるはずやから、銀行の人を案内してやってくれへんか?

270:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:13 hcXJmBtz
店主は唐突な依頼に戸惑った声を出した。

271:スナック店主 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:13 hcXJmBtz
そないなこと、ようでけると思うてんのか?

272:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:14 hcXJmBtz
こっちはうまくやるさかい、言うとおりにしてくれ。そしたら、人質は必ず釈放する。ええやろ?

273:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:15 hcXJmBtz
人質の件もあるし、スナック店主は仕方なく承知した。

受話器を置くと、梅川はあたりを見回し、男子行員の一人を手招きした。

274:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:16 hcXJmBtz
お前や。お前はこれから二階へ行って、500万円の現ナマを受け取れ。
そしておれの言うところへ持っていけ。届け先を言うからメモしろ。

275:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:20 hcXJmBtz
ここで指名されたのが業務課長の嶋崎である。命令に逆らう事は許されない。緊張した顔で頷くとメモの用意をした。梅川は内ポケットから手帳を取り出し、バー、鮨屋、
レストランなどの名前と借金の額を言った。
 最低5万5千、ほとんどが20万から30万台で、合計は250万余りだ。その他にサラ金関係の借金が同額くらいあった。返済先は全部で10ヶ所である。繰り返しになるが、
梅川がいったん預金通帳をつくらせ、そこから引き出す形を取ったのには、梅川なりの計算がある。こうすれば借金の返済を受けたものが後日、この金は梅川の金で返してもらったと
主張できるだろうというわけであった。

 これらの空しい努力は梅川の几帳面な性格から出ていた。その几帳面さは劣等感の倒立した虚栄が生んだものであった。いずれ終焉が来る。そのときに借金を残したままだったと
知人友人に後ろ指を指されたくなかったのだ。十円の借金も翌日返しに行く誠実さと同じものだった。
 さらに梅川は母親に迷惑がかかるのを恐れていた。借金取りに母が苛められるのを予防したかった。それで遺産まで用意したのだ。

 嶋崎がメモを終わるのを待って、梅川は乾いた口調でいった。

276:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:22 hcXJmBtz
届先はサツには言うな。相手に金を受け取らせるかどうかは、お前らの腕や。
それで、人質の安全は決まる。サツに漏らしたり、金を渡すのに失敗したりしたら、人質を全員殺す。

うまくやるこっちゃな。金を渡したら、そのたびに電話で報告せい。

277:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:24 hcXJmBtz
梅川は受話器を取り二階を呼び出した。嶋崎の行動を何も聞かずに黙過しろ、と申し込んだ。

坂本は、金の要求もあったし、梅川の意図はだいたい見当がついていた。そこでこれ以上人質を殺傷しないこと、
負傷者を運び出す事を条件に要求を許可した。

278:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:26 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 14時45分>>

 嶋崎が二階に上がってきた。坂本は手短に事情を訊いた借金返済のために動かされていることがはっきりした。現金を受け取り皮鞄に詰めた嶋崎は、10分後西側通用口から出て、
呼んでおいたハイヤーに乗り込んだ。車は厳重な包囲網をフリーパスして巷の雑踏に消えていった。
 嶋崎は知らなかったが、坂本はハイヤーの後を覆面パトカーに追わせていた。行先を知れば知人や友人がわかる。その中に共犯者がいる可能性もある。そうなればなにか別の効果的な作戦も考えられるのだ。
報道陣もこの奇妙な動きには気づいていた。包囲網の中にハイヤーが入っていて、銀行員とおぼしき背広の男が皮鞄を抱いて走り去っていったのだ。警察が傍観している以上、なにかの黙契があることは察知したが、
内容は検討もつかなかった。追い詰められた犯人が借金返済を考えるなど、さすがの記者連中も想像できるわけはなかった。この取引は事件解決後まで極秘にされた。

 梅川は借金先に次々と電話を入れていた。

279:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:27 hcXJmBtz
オレや。ごっついヤマを打ってるんは知っとるやろ?これから金を返しに人をやるさかい、待っててや。

280:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:29 hcXJmBtz
<<1979年1月27日 14時45分~15時27分>> 

 女子行員を通じリポビタンDを三本入れろ、代わりに人質を出す、という連絡が梅川から入った。
坂本は要求の品を差し入れさせ、ついでに静子の手紙も届けさせた。梅川は手紙を女子行員に代読させた。行員は読みづらい字なので、時々、首をかしげて言葉を切る。

 それを見て梅川は自嘲するように言った。

281:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:31 hcXJmBtz
お袋は、そないな字しか書けへんのや。そんなお袋やけど、俺にはお袋だけしかいてへん。

子供の頃から一緒に苦労したもんや。お袋は大好きや。一緒に暮らしたいと思うてたんやが・・・

282:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:33 hcXJmBtz
続いて、少年時代の強盗殺人、今回の事件の計画やその挫折の経緯を矢継ぎばやに喋り、そのあと、
リポビタンDの見返りに会社員・篠原八重美<19>を開放した。

梅川が喋りまくっている時は、かなり機嫌がいいと見てよかった。1日以上の接触で、感情の動きを読み取れるようになっていた男子行員の1人が思い切って申し出た。

「負傷者だけは、出してやってくれまへんか」

梅川はその行員を睨みつけ、あかん、とどなった。

その時、竹内貞夫が引きつるような声を上げた。

283:竹内貞夫 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:33 hcXJmBtz
出してくれ。たのむ。

284:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:34 hcXJmBtz
梅川はさっと銃を向けて言った。

285:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:35 hcXJmBtz
お前、まだ生きとったんか?殺したる。

286:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:36 hcXJmBtz
梅川は、竹内に銃口を向けた。
あわや惨劇か、と思われたとき、数人の男子行員が一斉に前に出た。

「お願いします。なんとか出してやってください」
「お願いします。助けてやって・・・」

いままで何の抵抗もできなかった男子行員たちの胸には、やはり後ろめたい思いが充満していたようである。
それが勇気ある一人の言動に触発され、同時に噴出した。ずらりと並んで頭を下げている行員たちを見て、梅川の気持ちも動いたようだ。

287:梅川昭美 ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:36 hcXJmBtz
よし・・・三人を出したれ。

288:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:39 hcXJmBtz
 電話係がその旨を捜査本部に連絡した。細かな手順の打ち合わせの後搬出作業が始まった。

 三人の男子行員とは、平尾小一郎、吉谷邦彦、竹内貞夫の三人。

 特に竹内は、梅川の命令により,同僚の営業課長・西島友男<44>の手で左耳を半分切り取られ、特に重傷であった。

 吉谷は負傷にもめげず歩いて外に出た。竹内・平尾は府立病院、吉谷は阪和記念病院へそれぞれ救急車で運ばれた。

289:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 04:42 hcXJmBtz
 今回はここまでです。申し訳ありませんが、明日はルポルタージュはできません。
その代わり通常の投稿はさせていただきます。

 次回は2週間程度の間をおきたいと考えています。詳細決定時に、また連絡させていただきます。

 よろしくお願いします・・・

290:大人の名無しさん
02/11/04 05:23 3LR12NZk
田口トモロヲが梅川事件をモデルにした短編漫画書いてた

291:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 05:25 hcXJmBtz
>>290
ぜひ詳細をお教えください!きっとあちこちに知りたい方がいるはず。

292:大人の名無しさん
02/11/04 05:33 3LR12NZk
>>291
早・・
90年中頃のガロに載ってました(80年ぐらいのエロ漫画に載ってた
再録) ルポライターさんの期待に添えるものかはわかりませんが・・
その作品についてのインタビューもあったはず

293:大人の名無しさん
02/11/04 05:34 3LR12NZk
>90年中頃
90年代中頃です

294:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 05:44 hcXJmBtz
>>292-293
SpecialThanxです。今度調査します。
また書いてくださいね。

295:大人の名無しさん
02/11/04 08:54 mIanxqMR
ルポライターさん、長文の書き込み大変お疲れ様でした。

296:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 09:01 hcXJmBtz
>>295 ありがとうございます。じっくりお読みくださいね・・・。

297:195 ◆IyApGKf56Q
02/11/04 10:56 paf1ywnd
遅ればせながらアウトロー文庫買ってきましたので、あわせながら読んで行きます。

298:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 11:08 hcXJmBtz
>>297 195 ◆IyApGKf56Qサン
おはようございます。幻冬社文庫の『破滅』ですね。
今回展開分は、重複分は殆どないかも。ですので、併読はかなりイイ!かもしれません。

299:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 20:31 5lXgbgGD
遅ればせながら。
>>191-193 野次馬サン&奉先の一睨みサン
 【Tattoo<刺青>あり】はTSUTAYA等大規模レンタルビデオ店には
置いてますよ。宇崎竜堂のオープニング曲とエンディングの<ハッシャバイ・シーガル>は、
今では簡単に手に入らないと思われます。
 【Tattoo<刺青>あり】は実にいい映画です。ご存知の方も多いかと思いますが、
銀行襲撃シーンはほとんどなきに等しいですので(襲撃の最初と、篭城時の母親との電話のシーンのみ)。

>萌ちゃん
 元気そうで良かったよ。来年には復帰といった話は聞いてるので、ひとまず安心した。

 本日は風邪気味のため、ここまでです。また、明晩に・・・

300:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/04 20:35 5lXgbgGD
 蛇足ながら一言。
 文章量が多大なスレですが(今日遂に、Mobileから見ることが不能になりました。
たしか512Kb超になるとスレストですよね)、内容を踏まえた、また、「読んでます」と
いった、簡単な投稿も私は歓迎しております。どうか皆さん、ご遠慮なく。

 では。

301:桜子 ◆X1SakuraTc
02/11/05 12:54 /q1LRDtq
地下のマイナー住人ですが、拝見させていただきますた。
お気に入りに登録して、ゆっくり読ませて頂きます。

302:野次馬
02/11/05 17:22 DearKkUn
>>299
ほんとですか?TUTAYAはよく行くけど見たことないなぁ、今度真面目に捜してみます。
>>288
耳をそぎ落とされた竹内さんが、救急車で病院に搬送される映像ははっきり覚えています。
ストレッチャーにのせられ、耳から顔にかけ、大量の血糊が付いた状態でしたが、
当の竹内さんは、気丈にも平然とした顔で意識もハッキリしていました。
とても耳を切断された重傷人とは思えなかったほど、しっかりした表情だったのが印象的でした。
まるで取り乱す事のないこの冷静さには、ちょっとしたかっこよさを感じました。

303:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/06 00:43 BZHnNWNa
 参ります。

>>301
来ていただいて光栄です。その一言。
>>302
後述で竹内氏のインタビューを、後続のルポルタージュ内で載せます。

304:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/06 00:43 BZHnNWNa
 最近思うのですが、ここのスレッドのタイトルで言う真実とは何を意味しているのか?
最近私は、いろいろ考えてしまいます。最初は私も、様々な資料を入手したことで得意になり、
事実と真実とをない混ぜにして、ただの事実列挙に陥っている事は無いか、と、自分で言うのも
何ですが真剣に考えてしまいます。

 当たり前の事でお叱りを受けかねないのですが、真実は我々自身の中にあります。残虐・不謹慎と
いいながら、多くの人は、取り扱った出版物でさえ少ないこの事件(ご存知のとおり、あさま山荘
事件は、この事件の何倍も著書が存在する)の真相に、多かれ少なかれ興味を抱くはずです。
 私の中ではその理由は明白です。誰しもが日常生活には存在し得ない、または決して許されない
背徳とその実行に、関心を全く持たないはずはないのです。どこで見たか忘れましたが、ダウンタウン
の松本か浜田かが中学生当時にこの梅川の三菱銀行人質事件をリアルタイムで体験し、梅川射殺のニュ
ースを聞くやいなや、校内放送で、「梅川!何で死んだんや!」と喋ってしまったらしい。さらには、
校庭で、黙祷まで捧げる輩もいたらしい。

 白状しますと、私にとってもやはり、梅川はピカレスクヒーローの一人であることを認めます。と
いうか最早ネタでも何でもなく、梅川はもう一人の自分である、とも言い切れます。

 どうか皆さん、この意味を曲解なされぬよう。

 私も格好つけて言うわけではなく、このスレにてルポを書き綴る上で、それ相当の覚悟は決めています。
模倣犯が登場すると真っ先に疑われる人間、それは他ならぬこの私でしょう。

 ハッキリ申し上げますが、私はこのスレで。「悪とは何か」を真剣に、とことん、語りたいのです。

 次回からのルポこそは、その私の願望が前面に出たものにするつもりです。

 では又、熱が出てきた模様ですので、寝床につきます。おやすみなさい。

305:大人の名無しさん
02/11/06 02:11 iQAOwRMX
初めて書き込みします。304を読んだところ何となく安心できたので初めて書き込みます。




306:38生まれ
02/11/06 18:34 NMtWQ4g5
>>304
おっしゃる意味はよくわかります。
自分の内面にも梅川が存在する部分があるような気がします。
ひょっとしたら誰にでもあるのかも。
性悪説信者ではないのですが。


307:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/06 23:45 BZHnNWNa
 古い話で恐縮なのですが、>>180の野次馬サンの投稿に対してレスです。
 
 確かに梅川は、42時間の間に食料や酒などの要求、またはヘリコプターを要求して、
逃走を図ることを考えたりもしたようですが、実際のところ篭城中は、篭城状態から
脱却するための、前向きな要求など何一つしてこなかった。
 初めから死ぬために事件を起こしたのではないかと推測する意見が少なからずあったようです。
(心理学でいうところの拡大自殺、刑法的には「間接(正犯的自殺)」)
ですが梅川は、現場から500メートル離れたところに、エンジンキーを差し込んだままの愛車・
マツダコスモを用意しており、銀行に乗りつけたのは共犯の鍋島に盗ませた焼肉屋のライトバン
だった。しかもその車首はコスモを止めている場所の方に向けて乗り付けている。
 プランは金を奪取して逃げることを想定して、杜撰ながらも緻密に練ろうとした形跡が見られます。
恐らく脱出不可能になって、梅川自身の脱出と生への道が閉ざされた辺りから、本人も考えもしなかった方向に、
梅川は突き進んでいったに違いありません。

 恐らく篭城後半くらいから、本人も人質達同様、自分が何をしているのかわからなくなって来たのではないでしょうか?
なぜ自分たちが全裸なのか?なぜ自分達が梅川に協力しているのか?なぜ自分が支店長席に座り、外との戦争をしているのか・・・

 梅川は結局、目的さえ見失ってしまった気がするのです。これは私の、完全な憶測なのですが。

308:38生まれ
02/11/07 10:07 Q+2e93/l
梅川は生涯の上で主役になりたいと思ったのでしょうか。
でかい事件を踏むと公言した以上
それが自分だと公にならなければ意味がなかったのではないでしょうか。
ソドムの市を再現するというより
後々、自分の行動や言動を伝え残すためにも
人質を生かす必要があったのではと推測します。
目的があったとするなら
それは自分のアイデンティティーに沿うものと思います。

309:野次馬
02/11/07 10:57 Hlr3ZTIK
>>307
ありがとうございました。
このことに関して、皆さんの見解を聞きたかったんです。
僕がこの目的を想像するに当たっては、想像の中で自らを梅川の立場に置き換えて考えています。
すなわちそれは306でご指摘のとおり「誰の内面にも梅川が存在する部分がある」と言う事です。
大変不謹慎ながら当時自分の学校を占拠し、クラス中の女子生徒を全裸にさせ辱める想像をしたりしました。
無論そんな事は想像や妄想の範疇に留まっていましたが、おそらく多くの男性は少なからず
このような想像をした経験があるに違いありません。
人の心に潜む残虐性や非行性、一般の人はこれらの鬱憤を、日常生活の中で無意識のうちに
何らかの代償行為によってガス抜きをしている術を身につけている。
あるいは教育や思想主義によって火種を封印してしまっている。
社会との接点が希薄になった現在、隣人知人もしくは自分の中に梅川は存在する。
・・・と、今日はちょっと恐い事を考えてみました。



310:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/08 02:06 ADb1FOjg
 参ります。

 今夜は梅川が最期の42時間を過ごす上で欠かせぬキーワード【ソドムの市】についてです。
はたして、このスレ読んでいる方の何人がこの映画をご覧になったか?私は恐らく、
【Tattoo<刺青>あり】は見ていても、【ソドムの市】はさすがに数えるほどの方しか
見ていない、そう踏んでますがいかがでしょう?以下飯干晃一のルポからです。

< これらの人々を殺し傷つけたことに何の憐れみもみぜす平然としている梅川昭美の冷血ぶりは
もはや異常というほかはない。
 そして同僚に竹内さんの耳を切りおとさせたことは、まさにこの"パゾリーニ的昂奮"のなかに彼が
ひたり切っていたと言えるのだ。
 映画『ソドムの市』は製作された時、イタリアでごうごうとした非難をうけた。
 パゾリーニ監督は「この映画を非難するものは偽善者だ」と反撥した。
「この映画はファシストたちの本質を余すところなくえぐっている。独裁者とはみんなこうなのだ。
 だからこの映画は反ファシスト映画だ。この映画を非難するものこそファシストであることを
 自ら暴露するものだ」
 パゾリーニ監督は傲然とした態度で、批評家の非難に応酬した。このような彼の理屈はコジツケ
にすぎないように思えた。この映画はパゾリーニが奇怪で残虐な耽美趣味に自らのめりこんでゆくさま
をえんえんとみせるものだった。
 だが梅川昭美がいまここでこのパゾリーニ的世界をみせた時、「これが独裁者の世界だ」と言った
パゾリーニの言葉は、妙にナマナマしい実感をもって実在感を証明しているようにも思えるのである。>

   (アサヒ芸能S54.3.29号 『三菱銀行人質事件・梅川昭美/凶悪の42時間』p.73 原文ママ)


  時間が来ました。コメントはまた明日深夜に。

311:305
02/11/08 03:35 NHn48HVM
初めまして305です。先日は書き込もうと思ったけど、やはり思い直して本文は消してしまいました。
いつも読ませて頂いております。
たしかに私もTATTOOありの映画は見たけどソドムの市は見ていないので、一度観てみたいと思っています。
ところでソドムの市は映画化されているのでしょうか。
ちなみにTATTOOありの映画は私は高校生の時に3回も映画館に観に行きました。

312:大人の名無しさん
02/11/08 06:51 zko2xlcr
>>311
「ソドムの市」に関しては以下のサイト他、多数ありますので参考にどうぞ。
URLリンク(rose.zero.ad.jp)

私も未見ですが、ビデオもレンタルされているそうです。

313:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/08 09:34 mqIYyl0/
ルポライターさん
昨夜は、私のスレッドにお越しいただき、有り難うございました。
三日間ほど四国に出張していましたので、しばしじっくりと読むことが出来ずにいましたが、時間をかけて、また読ませて頂きます。

314:305
02/11/09 06:06 gjDYRTo/
>312さんありがとう
すさまじい映画のようですね。せっかく案内して頂いたのですが私は映画は見ないことにしておきます。
以前から興味があったんです。
梅川が「このなかにソドムの市、見たもんおるか、~云々」らしい事を言っていたというのを読んでから興味があったんです。
おかげさまで、どのような映画なのか、あらすじを知る事ができました。ありがとう。

315:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/09 08:28 mP1yA/A1
昨夜は遊びに行って帰った後、そのまま寝てしまいました。

 ではいきます。

 >>311 305サン
 私だって文才ない癖に、「衝動」だけでこんな手間隙かかるスレやっているのです。
せっかくしたためた文章消すなんて勿体無さ過ぎる。私など、ご存知の方もいると思い
ますが、誤字・脱字などひどいものです。
 >>312
 LDは無修正版であると聞いております。
 >>313
 貴方のスレでの身に余るお褒めの言葉に、ただただ恐縮するのみです。

 【ソドムの市】後半シーンでは、監禁されている全裸の少年少女達が、支配者たる大統領、
裁判長、公爵、司祭の四人の権力者達に禁止行為(監禁された少年少女同士の恋愛または
同性愛、監禁された館内メイドとの情事)を暴かれ、拳を堂々と掲げ銃殺される少年、自分
以外の規律違反者の告発により、権力者に媚びる者、またラストシーンでは、兵士の一人は
監禁された少女と秘密裏に恋愛している事を匂わせるシーンもあった。

 ここで>>310に戻りますと、ピエル・パオロ・パゾリーニが描きたかったという、「この映画は
独裁者と民衆の関係のメタファー(暗喩)」は、私は上に述べたシーンに代表されるものなのかと、
最近このルポを綴る上で考えるようになった。
 それ以前はさすがに、とてもじゃないが、特にラストの惨殺シーンなど、正視に耐える代物では
ありませんでした。

 しかしいまだに信じられません。この映画が日本でロードショー公開され、フルスクリーンで上映
されていた(しかもノーカットだったらしい)ことなど。銀座か丸の内の大映画館(名前失念)では、
この映画を見に来ていた男女数人は、上映中嘔吐しそうなそぶりで、そそくさと退席したりもしたようです。

316:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/09 10:54 sjMvTSNy
犯罪の所期の目的が、借金返済と母親への労りにあったというのは意外でした。
人間としては極めて正常な、人間的な動機です。
ところが、その執行方法は極めて非人間的です。

人間は、心のどこかには邪悪な鬼畜の部分を隠し持っていたりするものです。
その鬼畜の心を隠して持つというのは、それが許されざるものであると分別する良識を弁えているからなのでしょう。
その鬼畜を正当化する理屈を発見したり、与えられたとき、迷うことなく鬼畜を行うのでしょう。

317: ◆2chdepTVGA
02/11/09 11:31 Jsdm3v1W
毎日読んでます。最近はギアが一速入ったようで、快調ですね。
スレの特殊性故に内容のコメントは出来ないが 応援してます。
がんばりーや!

318:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/09 17:09 N35m0Sv4
>>316
 また深夜にじっくりと。
>>317
 コテあってもいいのに!私がコテ隠してトリップオンリーなのは、
皆さんでの礼儀です。貴方がここで同じことする必要ないですよ。
でもありがとう・・・。

 萌ちゃんともども、純情恋愛板の方も是非遊びに来てください。
キーワードは「虎」です。今737レスくらいですが。

319:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/11 00:50 paxLu4ZP
 1976年の秋、梅川は大阪市内の飲み屋で、後に殺人幇助罪で逮捕された鍋島孝雄と客たち
の前で、【ソドムの市】の猟奇に満ちた異常シーンを、得々と皆に説いて聞かせた。その昂ぶった
調子を鍋島はハッキリ覚えていた位だから、梅川は余程【ソドムの市】に強烈な印象を受けたよう
である。
 あまりのサド・マゾ表現に、欧米では上映禁止になった。【ソドムの市】は大阪では、ミナミの
「南街シネマ」とキタの「ニューOS」で封切られた。梅川は生活圏から見て「南街シネマ」で
【ソドムの市】を観たようだ。既述通りピエル・パオロ・パゾリーニはこの映画にファシズム
批判を込めたと言うが、殺人者としての梅川の関心は、まさに嘔吐感なしに観られない血の狂宴に
あり、それを可能にした「権力」への暗い憧れにあったようである。
 5000万円の現金を狙い三菱銀行北畠支店に踏み込んだ梅川が、行員と警察官を立て続けに
射殺し、警官隊に包囲された時点で、逃れられぬ死を覚悟したことは間違いない。それを証明する
言葉が、これである。

 「どうせオレは死刑や。5人殺すも、10人殺すも同じことや」
 
 死を覚悟した犯罪者が最後に何を望むか?その男の生涯の全てが問われる場面でもある。「力」や
「富」とは無縁のうちに貧しい30年を送ってきた梅川の脳裏にその瞬間よみがえったのが、かつて
陶酔した【ソドムの市】のあの絶対権力者の姿と、その悪魔的シーンであったとしても不思議では
ない。机やロッカーでバリケードを築いた店内は、誰も手を出せぬ梅川の帝国であり、人質は権力者が
思うがままに操れる生贄である。しかもその中には銀行員というエリートたちが数多くいる。梅川に
とっては彼らは憎悪の対象にこそなれ、憐憫の対象になどならなかったのであろう。最期の42時間で
梅川が、初めて手にした絶対的な権力、凶暴な力。それを人質に向けて思う存分いたぶり殺す。そこに
梅川は、目的を転化させたのである。

 以下は抜粋である。

320:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/11 00:50 paxLu4ZP
『「人間は極限状態になると、命惜しさになんでもできるもんや」
 梅川が密室の支配者になったとき、単なる強盗事件は、いまだかつてない残虐で、人間の尊厳
すら冒涜する異常な事件に変質した。ただこの事件の中で梅川は「オレは精神異常やない。道徳と
善悪をわきまえんだけや」と語っている。事件の直後、新聞の読者からもこんな投書が寄せられた。
「梅川を他人事とあざけってばかりいられない。現代社会では、私たちもみな、梅川の異常性と
背中合わせに住んでいる」「梅川が異常性格であるとの証明に躍起になっても成功しない。それほど
異常ではない人間が、これだけのことをやる可能性を秘めているのがいまの時代だ」
 人々がこの事件に興味を持ち、かつ恐怖するのは「もう一人の私」を梅川に見るからかもしれない。
梅川が【ソドムの市】を真似た、だから小説や映画が犯罪を生んだ、とするのは単純すぎる。映画は
ときとして、鋭い感覚で社会と時代のゆがみをえぐりとってみせる。犯罪もまた、同じである。
【ソドムの市】の世紀末退廃と凶暴な権力の惨劇に、強い感度で反応した人間がおり、心に刻み込んだ
黒い欲望を、死の直前に解き放った梅川のような人間がいる。そんな時代なのである。
 だが、その犠牲はあまりにも大きかった。』
 
   (幻冬舎アウトロー文庫【破滅 ― 梅川昭美の三十年】毎日新聞社編 p.131~132より 原文ママ)

――――――――――――――――――――――――

 今夜はいつもの「ですます調」を捨てたミニ・ルポルタージュを試みました。また明晩。

321:ねえさん
02/11/11 07:29 Qfs63TNl
はじめて書き込みます。
私は20代後半で、この事件そのものを知りませんでした。
こういった事件の詳細を記することには、さまざまな意見があることと思います。
でも、私のように、事件のあらすじはおろか、事件が起こったことすら知らない人間もいます。
単純に野次馬的な感情がないとは言いませんが、少年法や、危機管理問題などを含め、
さまざまな見方が出来るこの事件の詳細を、とても興味深く読ませていただいてます。
レスをしている方々がとても聡明なのは、ルポライターさんの慎重かつ率直な進行の仕方から
くるものと感じました。私などが書き込むのはおこがましい気もしたのですが、
こんなふうに読んでいる人間もいるということと、みなさんがとてもスマートに意見交換(?)
していることに、ある種の感動を覚えたので、それを伝えたかったのです。

ルポ、大変な作業だと思いますが、がんばってください。
ルポライターさんと、レスをしていらっしゃる方々へ。

322:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/11 15:47 63MZkInU
余談ですいません。
そういえば「ハッシャバイ・シーガル・ブルース」は、宇崎のCDアルバムの一曲として挿入されているのを、最近になって発見しました。
しかし、その一曲以外には関心がないので、買うかどうするのか迷います。

323:ロック ◆ROCK/uccuc
02/11/11 17:40 LL2z6bNv
いやぁ、やっと読み終わりました(;´Д`)
時間の余裕が出来たら読もうと、お気に入り登録してはいたのですが......

事件自体はうろ覚えで、当時も「キチガイの犯行だろ」くらいにしか捉えていなかったのですが、
ルポ読んで、いろいろ考えさせられました。
ルポさんの今後の書き込みに期待してます。



324:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/11 22:18 7Z/LmZMn
>奉先の一睨みサン
 曲名も事実も間違えていた・・・皆サン、私の書いた内容を疑うことも忘れないでください。
奉先サン、私はむしろ、オープニングの曲のほうが好きですよ。
>ロックサン
 お初ですね。非常に嬉しいですよ。思えばロックサンは、ここで初めて顔文字を使われた方
ですね・・・皆さん、私は決して顔文字嫌いではないので、何ら遠慮は要りません。ただ、当スレ
の性質上、AAだけとかはちょっと勘弁願えればと。少しでも結構、テクストを投稿願います。

 今夜はいつもより早めに参ります。

 まずは、新潮文庫【失われていた文書】(麻生幾 著)からの引用からです。

『しかし、<秘匿文書>には、梅川の深層に刻まれた心理をさらにプロファイリングしている部分が
幾つも含まれている。
 それは、女子行員の供述調書に含まれていた、梅川が口にしていた奇妙な言葉と完全に結びついた。
<俺のような男を性異常者というんや>
 捜査1課の事後捜査によって明らかにされた梅川という人間の生い立ちの記録の中に、何人かの女性
との関係に関する部分がある。梅川は何度か女性と交際し、犯行寸前まで同棲をしていた女性もいた。
捜査員はそのすべてに足を運び、ドアを締めようとする彼女たちを必死に説得し、”梅川”という男の
本性をすべて聞き出した。
 捜査員たちが集めた供述を並べた捜査1課幹部は驚いた。彼女たちの参考人供述の中で、<全裸>と
いうキーワードがすべてに含まれていたのだ。特に、最近まで同棲していた女性の供述では、梅川が
嫉妬に狂った時には必ず、女性を激しく虐めたと言う場面が生々しく記されている。しかも梅川の
”虐め”は普通ではなかった。女性を全裸にしたうえで、玄関から外へ放り出していた。その異常な
行動は一度や二度ではなかった。その時、捜査第1課本部は確信した。梅川の犯行を単に性格異常や
残虐性の持ち主と切って捨てるのではなく、女性を全裸にするという倒錯した性欲こそが梅川の精神
構造の核を成しているのだと。』

 既述の【ソドムの市】について言及した稿と照合してみてください。何か発見はありますでしょうか。

 続きはまた明日深夜に。

325:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/13 02:30 lb+XAFmF
この四二時間、密室の中を支配したのはサディズムである。この章の眼目ではないが、吹き荒れた
サディスティックな嵐は事件そのものの現代的特徴ではあり、多少触れざるを得ない。
 真昼の銀行内部に「ソドムの市」的光景が再現された。映画『ソドムの市』は、マルキ・ド・サドの
小説に想をかりて鬼才パゾリーニが監督したイタリア映画であり、事件の二年三ヵ月前、全国で封切ら
れた。
 ファシスト政権が崩壊過程に入った北イタリアの修道院が舞台であるが、ファシスト軍の将軍、カト
リックの高位聖職者、市長ら権力者は、破滅寸前に最後の快楽を追及する。兵士を動員して、数十人の
美少年、美少女を修道院に連行し、サディスティックな性交、男色、スカトロジーなど、あらゆる性的
陵辱の限りを尽す。この映画には政治的メッセージも込められてはいたのだろうが、この際それは関係
ない。
 「クラブ(ホステス)の集金人(つまりはツケで飲んだ客から、たぶん暴力的に債権を取り立てる
いうことだろう)」と紹介される犯人の梅川昭美(三〇歳)も、この映画の熱心な観客であったようだ。
梅川は、権力者が嗜虐的に耽溺する映画のシーンのいくつかを再現してみせた。
 映画の中では、一列に並べひざまずかせた全裸の少女たちの尻を高く掲げさせ、権力者たちは性器と
アヌスを品定めした。梅川は女子行員にも同じことをやってのけた。負傷した行員の耳を同僚に切り取
らせたのも、映画のワンシーンに倣ったものである。

                       (平凡社:「犯罪」の同時代史p.43~44より。原文ママ)

 上記のシーンと、女子行員を全裸にひん剥いていくシーン、そして梅川最後の朝に、惨劇の現場で全裸
女子行員と車座になりながらの、豪華な朝食のシーン・・・この事件の不条理を端的に表現したクライ
マックスともいうべきものです。繰り返しになりますが、不謹慎なのは皆承知の上で申し上げています。

326:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/13 02:30 lb+XAFmF
話は変わりまして、来週はこのスレッドが生まれたから初めての試みですが、平日のルポルタージュを
敢行したいと思います。日付・時間は未定ですが、今回はアナウンスはしない方針です。予定に縛られて
義務感でルポを綴るのは、何か違うと感じていたもので。11月分は、そのルポが最後になるでしょう。

 12月は、1回位で済ませておきたいと考えています。
 その代わり2003年の年明けは、ルポルタージュから始まります。これは私からの年賀状です・・・

 また明晩。おやすみなさい。

327:305
02/11/13 05:51 VO3UI1rd
読ませて頂きました。いつもありがとう。
326についてですが、以前から少々私は気になっていたのですが、ルポライターさんは「続きは~今晩の夜中に,等」
と,たびたび予告しておられますが、私はいつも気になっていたのです。
あなたさまは恐らくお忙しい身の上でしょうに予告をなされた事に対して、御自分を縛られるような思いになられるのでは無いかと
私は案じておりました。
もし出来ますれば、あまり気負いされる事の無きようになさって下さいませ。

話は変わりますが梅川に散弾銃の所持許可を与えた大阪府警の当時の担当者の心情はどのような物なのかと、私はたまにその事を思います。
もしや全く深く考えずに、「わしゃ関係ないわ」と、マヌケ公務員顔でボケ~としてるのでしょうか。
赤軍事件等を警戒する為、などとの話もきくけど20年ぐらい前の時でも(今でも)散弾銃許可の講習会申し込みはかなり厳しいです。
この件については、このスレ本来の趣向には沿っていないと思われますので私の独り言としておきます。
これからも楽しみにしております。


328:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/13 10:40 REuorgb1
梅川のリビドーのあり方、方向性が顕著になるシーンのようですが、虐待趣味のない者には理解しがたい。
梅川が元から持っていた曖昧な嗜好が、映画「ソドムの市」によって輪郭が鮮明となり、方向付けされたと見ればよいのでしょうか。

329:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/13 12:55 REuorgb1
あまり私が書き込みすぎると、ひんしゅくを買いそうで気が引けますが、梅川は、以前から交際女性に嫉妬や怒りを覚えると、裸にして戸外へ締め出していたとありました。
昔は悪さをしたり、聞き分けがなかった子供が、親に裸にされ、戸外へ放り出されるという折檻を、よく見かけたものです……(ニュアンスが違いすぎるか・笑)

330:大人の名無しさん
02/11/14 00:18 na2Ezo10
どうもこのルポライターって人自演くさくていや。
あっちこっちで自分を称える自画レス入れてない?

331:魚類 ◆PZGoP0V9Oo
02/11/14 01:23 zUj3KXke
厨房の時写真撮りにいったよ
11時カーテン開ける前でも、バスだけは運行再開してたから
下車して2枚とりました

332:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/14 01:26 ST2B5ZeU
>>327 305サン

 ありがとうございます。それについては>>54をご覧いただければと。
また折に触れて、散弾銃の所持許可を下した住吉署の話はいたしましょう。
今夜はお言葉に甘えて、程々にしておきます。悪しからず。

>>328-329 奉先の一睨みサン

 私にも虐待趣味は無いのですが・・・梅川のサディズムは曖昧なレヴェルのものではなく、
きわめて顕著です。まぁ、【ソドムの市】への憧憬を抱くのは、梅川の性向を知る者にとっては、
頷ける話ともいえますね。

・・・まぁ、私は自画「自賛」レスの書き込みしてるつもりはないのですが。
私が投稿する→読んでいただいた方が投稿される、このテンポで書きやすくなるもので、
遠慮なさらず投稿くださいと呼びかける事はございましたが。お気に触りましたらお詫びいたします。

 最近ご無沙汰されている野次馬サンや播磨町交差点サンも、もしかするとこの辺に浮ついたものを感じて
おられるのかも知れません。

ですが自演に関しては、ルポルタージュのとき以外はしていませんがね。いづれにせよ、
私は内容そのもののご批判をいただいた方が有りがたいと思っております。では。

333:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/14 01:27 ST2B5ZeU
>>331
ありがとうございます。一足早く投稿してしまったようですね。

334:魚類 ◆PZGoP0V9Oo
02/11/14 01:42 zUj3KXke
>>1 
死因はやはりあれですか?
担架落とした時の打撲が致命傷だったとか?
それはさておき一週間後の夕刊にのったシャッターの穴から撮った上半身と、
階段をはだしで(右手にニュー南部)駈け降りていく私服の写真が印象的でした。

335:播磨町交差点
02/11/14 01:44 qpjMGuCM
ルポライターさん、書き込みこそしていませんが、毎日必ず覗かせてもらってますよ~。
大人の板だけあって、事件について一家言持っている人が多くてレス読むのが楽しみです。



336:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/14 01:55 ST2B5ZeU
>>334
担架担いだ捜査員がコケタのは、有名な話ですね。死因がそれかは不明ですがね。
毎日新聞に出た梅川の写真はこれですね。
URLリンク(photobank.mainichi.co.jp)

・・・あと魚類サン申し訳ないです、もしよろしければ次回からsageでお願いできればと。

>>335
お久しぶりです寂しかったですよ。ありがとうございます。これからも自作自演に励みます。
ただしルポ内だけですがw

337:野次馬
02/11/14 09:39 oIgl6nv0
>>332
いやいや、決してそういう事じゃないですよ。ただ単にここ数日は私的に忙しく、
読めても書けない状況でした。気に留めてもらってありがとうございます。
暫くご無沙汰しているうちに、話が進んでいますね。

担架コケ死因説は我々の年代なら必ずと言っていいほど持ちネタにさせてもらっていますね。
通常、救急車には頭を先に入れるのですが、あの慌てようで、足から入れられた梅川。
はたして酸素マスクは届いたのでしょうか?死因は低酸素症によるものかもしれません。w(新説?)
あの時、隣のビルから俯瞰でスクープ撮影したのが、意外にもNHKでした。
通常あの手のゲリラ撮影は、日本テレビ辺りが得意なんですが、他の民法局は地団太を踏んだ事でしょう。

ソドムの市、原作のソドムの120日、ともに見ていますが、これに関しては少し皆さんと見解が違うんです。
なかなかうまくまとめられないので、もう少し、皆さんの受け取り方を聞いて行きたいと思います。
私自身、色んな世代の色んな意見を聞いてみたいので、ROMの皆さんも、どうかお話を聞かせてください。

338:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/14 12:14 K4IWBcok
>野次馬サン

 たった今投稿読ませていただきました。

 お忙しいところ申し訳ございませんでした。また夜来ます。

339:魚類 ◆PZGoP0V9Oo
02/11/14 12:19 HuIOdp7+
>>337
日曜の朝、8時半にほとんどのテレビ放送が一旦スタジオにもどった後
関連ニュースは8チャンネルの遺族のインタビューしてる最中に
(現場からスタジオ、スタジオさーん、現場からスタジオー)で
シャッターの下をくぐっていってる機動隊が映し出されていたですよね
(建築中のコーヨーの所の設置カメラから)
サテンの上からの分はその後の録画分でながされていたような・・・
>>1 ゴメン  今回だけageでお願いします。

340:
02/11/14 12:23 peU7Ek9c
画像掲示板
URLリンク(www22.brinkster.com)




341:奉先の一睨み
02/11/14 19:56 PVEyp02g
不思議です。
ルポさんの記帳を見るたびに、内容がこのスレッドの趣旨とは関係ないものであっても、自動的に「ハシャバイ・シーガル・ブルース」のイントロが、勝手に脳裏に響くようになりました。
そういう連想イメージが、私の中で確立されたのでしょう。
よって、迷っていたCDは購入することに決めました(笑)

342:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/15 00:54 dTr4I60b
サーバ移転で(仮?)復活したようですので参ります。

>野次馬サン
私ごとき若輩者に、最早言うことはございません。
ですが【ソドムの市】に関しての一家言は、非常に興味あるのですが・・・。
>魚類サン
是非これからも、お手数でなければ投稿願います。
貴方のような方がこのスレでは必要です。私の力不足のサポーターとして・・・
>奉先の一睨みサン
まるで私が梅川と同じ最期遂げるみたいじゃないですかw

343:魚類 ◆PZGoP0V9Oo
02/11/15 12:00 GCv2GNPt
ルポさん あらためてはじめましてよろしく(長いか?
新聞配達のアルバイトの頃だったんで明け方ずうっと見てました
28日の朝共犯男性のマンション
(前日やったかな)つきあたりの201号室でしたっけ?
前の会社の子が徳島で、梅川のおっかさんヘリで迎えにきてたの見たそうです
  ところでsageる方法教えてください(ああ、またageってしまう)

344:ロック ◆ROCK/uccuc
02/11/15 12:12 hhmZLHiz
>>343
メール欄に半角でsageと入れれば上がりません。
しかし、sageと入れても上がったスレを下げることは出来ません。

345:魚類 ◆PZGoP0V9Oo
02/11/15 12:28 GCv2GNPt
>>344
ありがとう。ではさっそくsageっと。

346:大人の名無しさん
02/11/15 20:27 mHwqCQ14
>魚類さん、上手上手w

347:野次馬
02/11/16 12:20 N8Uzi5xj
「ソドムの市」を知ったのは、梅川事件とほぼ同時期でした。
ポスターに描かれた裸の女性が逃げ惑う姿は、思春期の私に痛烈な衝撃を与えました。
あの梅川が影響を受けた映画とはいったい、どのような内容なのだろう?
私の中でソドムの市に対する幻想と憧憬は、時の流れとともに気付かぬ所で膨張し続けたのです。
今から10年ほど前、「ソドムの120日」を友人からプレゼントされました。
サディズムの言葉を産んだこの本は、私にとって前から読みたくて仕方がなかった一冊でした。
しかし、残念ながら私の期待は見事に裏切られました。
その後ソドムの市をビデオで借りて見たものの結果は同じでした。
梅川事件でこの映画を知り、それから20年余りの間抱き続けていた夢がかなったとたん、
一気に萎えてしまったのでしょうか?いや、それよりもソドムの市に対する期待と幻想が
大きくなりすぎていた事に自分自身気付いていなかったのです。
この映画にエクスタシーを求め続けた20年という月日は、僕の感性までも頑なにしてしまったようです。

348:大人の名無しさん
02/11/16 20:36 Afos343z
三菱銀行人質事件が起きる前年か前々年に、高知市の日興証券高知支店でも似たような人質事件がありました。
女房子供に逃げられた中年男が、営業終了後の日興証券高知支店の女子更衣室に凶器を持って乱入し、更衣室にいた
女子社員数人を人質に捕り、「女房をここへ呼べ!」などと要求し、長時間立て篭もるという人質監禁事件でした。
幸い犯人は突入した警官隊に取り押さえられ、人質は全員無事に解放されましたが、篭城中、犯人は一人の女子社員の
うしろ髪を切り落とし、周囲を取り囲んだ警官隊に切った髪を見せつけて威嚇するなど、異常な行動をとりました。
また、この事件を時系列に総括した事件後の新聞記事には、
「見張り役の女子社員の一人が警察の動きを報告しなかった事に怒った犯人は、罰として女子社員全員に上着を取らせた」
という微妙なニュアンスの記述もあって、当時まだ十代だった私は、不謹慎ながら様々な想像を巡らせて興奮したものです。

今になって思えば、この後に起きた三菱銀行北畠支店の大事件を予兆させるような人質事件でした。

349:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/16 23:31 oIzW4K/w
「ソドムの市」をレンタルして観ました。
2度目を観ようという気には、到底なりませんでした。
臭そうなホモのオサ~ンたちが登場し、女性よりは青年を相手に変態行為をする作品としか、評しようがない。
単にクソ食いスカトロ趣味と、SM趣味のある「男色家」の方のために作られた映画だと感じました。
当然、男色趣味のない私には、吐き気しか覚えないものです。
今でも、薄汚い4人のオジンどもの雲國斎臭いが漂ってきそうです。
世紀末的な頽廃を描こうという趣旨であるなら、これは違うのではないかと思いました。

この映画を観て狂喜乱舞した梅川は、男色家だったのでしょうか……

350:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/17 01:00 6D4UzOP5
 魚類サンもロックサンも、346サンも皆さんありがとうございます。
>>347 野次馬サン
 マルキ・ド・サドの原作は、パゾリーニの映像以上に惨い内容だった記憶が・・・
原作は斜め読みしかしていませんがね。
 パゾリーニのフィルムも、カットされた内容が各国版毎に相違していたりするようです。
その詳細は・・・さすがに板違いとなるので残念ながらここでは触れられません。
>>348サン
 正直興味をそそられました。Googleで見たところ77年8月におきた事件ですか。
Web上の内容は詳細に触れられていないので、時間があったら当時の記事は見たいところです。
>>349 奉先の一睨みサン
 私も以前、既述ですが「二度と見るもんか」と思いました。初めて見たのは1997年です。
私がこうして、梅川について語るようになるまでは、私の生活にとっても何ら縁のない映画でした。

 ただ、サントラだけは、映像以上に印象的でした。初めて見たときには、サントラと映像の妙な
コントラストというかギャップに、ただただおぞましさを感じたものです。

あとですね、梅川の性癖に男色は含まれてはいませんね。背徳の一環として興味くらいはあったのかも
知れないですが。
 
 今夜はもう少し夜更けになってから、また少しお話ししましょうか。もう【ソドムの市】の話題からは
一旦逸れます。
 ただし・・・寝落ちの場合はご容赦ください。申し訳ないです・・・

351:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/19 07:07 US65ukrD
おはようございます。本日は朝から投稿です。

 昨日、>>127,>>144,>>145,>>155,>>158,>>175でも触れられている、この事件のあらましを綴った数少ない
著書のひとつである【ドキュメント新聞記者 - 三菱銀行事件の四十二時間】(読売新聞社会部)を
入手致しました。

 野次馬サンからお話いただいた角川書店より出版されていたものは文庫本です。私が今回入手しましたのは、
講談社からでた単行本の初版です(別にコレクター意識からひけらかしているわけではないのですがね)。

 ・・・で、今朝になり、ようやくhumanサーバの状態が正常化したようです。昨夜中に投稿したかったのですが。

 まぁ、これは、私のメモですが、当然いつもここを楽しみにしていただいている皆様にとっても、
価値ある一節なのかなと思いましたので、以下に目に付いた箇所を引用します。

 こちらの住人の方々は当然として、他板でもここを楽しみにしていらっしゃる方々に、私は本当に感謝しています。
 
 また今夜は投稿するつもりです。

『 ドキュメントというのは、ここ数年、大事件が起きるたびに、どの新聞も競ってとり上げる報道の一つの形式
 であった。新聞報道というものは事件が大きくなればなるほどセンセーショナルなものになりがちな傾向を持って
 いる。少しでも強く読者に訴えたいと思うあまりに、記事や見出しに対する感情移入が激しくなるからである。
 それはある程度までは許されるかもしれないが、程度を越すと事件の一部だけが拡大され、事件の本質がわからなく
 なってしまう。そうした欠点を補うには、何時何分だれがどうした、という客観的事実を並べるだけのドキュメント
 はたしかにいい方法であると思われる。』(p.50より抜粋/原文ママ)

352:奉先の一睨み ◆lBEsxJsHCY
02/11/19 15:48 C7LYvVIb
本多勝一からペテン師と痛烈に批判された、F・ヤコペッティの残酷モノシリーズがありました。
サファリパークで、観光客がライオン襲撃される衝撃のシーンが、何度もテレビで紹介されたものです。
こうした残酷モノも、なぜかそのテーマ曲は優美なものだったりします。
どんなものでも美化するのが、ヨーロッパ人のセンスなのでしょうかね…

353:黄昏ブルース ◆lFBLUESV4w
02/11/19 20:14 QXOMZX4y
あ、えと、、、>>1から見てます。
このスレがアト1年2ヶ月早く立っていたら・・・(;´Д`)

まず、がんがって下さい。>>1さん


354:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/19 22:17 6+2893+w
>>352 奉先の睨みサン
 「世界残酷物語」ですね!我々の年齢(当然奉先の睨みサンと私を同列にするのは、
大変失礼なことですが)には思い出に残る映画のひとつですよね。

>ヤコペッティの「やらせ」は80年代に入ってから暴露されたのかと思っていたが、
>公開当時の《キネマ旬報》なんかを見ると、すでに「これはやらせである」と断言されちゃったりしている。
>例えば、ヤコペッティの最後の作品《大残酷》のパンフレットでは、
>《さらばアフリカ》での大胆な「やらせ」が暴露されている。

 これはあるHPからの引用ですが・・・かの「グレート・ハンティング」などもヤラセと聞き、
小学生のころ物凄くこの映画を怖がっていた私は、愕然としたものです。

 イタリア映画は、残酷趣味や残酷感覚が、すでに当たり前ですから。
ダリオ・アルジェント監督(『サスペリア』、『ゾンビ』、『オペラ座の怪人』等の監督)は
代表的なイタリア残酷映画の旗手ですが、愛娘を主演にした『スタンダール・シンドローム』は、
『サイコ』を彷彿とさせる展開で、傑作だったと思っています。

>>353 :黄昏ブルースサン

 初めまして!お名前は拝見したことがあります。読んでくださっていたとは光栄ですね。
黄昏流星群サンとはまた別の方ですかね・・・?

 ところで、
>このスレがアト1年2ヶ月早く立っていたら・・・(;´Д`)
 
 これ大変に気になるのですが・・・よかったら詳しく語っていただけませんか?

355:黄昏ブルース ◆lFBLUESV4w
02/11/19 22:46 QdupGYVw
>ルポライターさん
黄昏ブルース=黄昏流星群、です。特に使い分けているわけではありません。

>アト1年2ヶ月・・・
のことですが、実は書きづらい。
昨年の9月11日の事件です。アメリカの。
その時、2ちゃんでは各板に同趣旨スレが立ったことはご存知のことと思います。
30板にも同様スレが、確か3スレほど立ったと思います。
そのころから私はコテハン(黄昏・・ではありませんが)を使い出しました。

某スレで、スレ主がかなり強烈な書き込みで散々叩かれていました。
私はそのスレに書き込みをしたことはなく、別スレでかなり書いておりました。
やがて、件の某スレが次第に沈んで行き、スレ主もボツボツ書く程度になりました。
私は、前半の強烈な書き込みと後半の落ち込んだ書き込みのギャップを見て、
「どうした?」ってな感じで天気の話しなどをしてレスを進めておりました。
だいたい2~3日に1スレペースだったと思います。

前フリが長くなりましたが、そのうちに「1と親しくレス交換してるヤツの気が知れない!」
という趣旨の書き込みが増えてきました。
まぁ、私はそこで「こんなに沈んで、ほとんど書き込まないスレだから・・・」と言いわけしましたが、
「オマエもテロ賛美者だ。」とのレスがかなり続きました。

「被災者を心配する気持ちと、ニュースを期待する気持ちと、人間って二面性があるのでは?」
という感じのレスも書きましたが受け入れてもらえず、その後他スレで遊んでいるときも粘着っぽく、
迫られました。
他の皆さんに迷惑がかかってはいけないと思い、そのときのHNは現在も一つのスレッドに、
閉じ込めております。

まぁ、そんなことを考えながらこのスレをROMっておりました。
スレ違い、誠に申し訳ありません。
お続け下さい。


356:黄昏ブルース ◆lFBLUESV4w
02/11/19 22:46 QdupGYVw

こんなこと書くと、また叩かれそうですが・・・アハハ


357:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/19 23:41 FM1MYIQr
>>355-356
事情わかりました。

深夜に趣向を変えて、私がここの板に来た経緯等ごく簡単に、
お話できる範囲でいたします。

358:野次馬
02/11/19 23:52 UISzGTpf
突然夜にお邪魔します。
>>黄昏ブルース=黄昏流星群、です。
これを見てつい書き込まざるをえなくなりました。
黄昏流星群さんは私の事をご存じないでしょう。
でも、つい最近まで私の建てたスレで大活躍していただきましたよね?
こう書けばお分かりいただけたでしょうか?
ここのキャラとあっちのキャラにあまりのギャップがあるのでピンとこないかもしれません。
ここでは野次馬です。書き込み大歓迎ですが文字化けせぬようご注意ください。
なお私がわかってもばらさないで下さい。あまりに恥ずかしいので・・・
それからルポライターさん、ドキュメント新聞記者、おめでとうございます。
また感想聞かせてください。

359:黄昏ブルース ◆lFBLUESV4w
02/11/19 23:59 QdupGYVw
>>357
トシなのでそろそろ寝ます。
書き込みを読ませていただくのは明日、職場で( ^▽^)

>>358
さて~?どちらさんでしたでしょうか?
「大活躍」などしたことは・・・。
申し訳ありませんが、ホントに判りません。
ところで「文字化け」ありましたか?
スンマセン、教えて下さい。


360:野次馬
02/11/20 00:27 QMCdhzf0
>>359
あれっ?僕の勘違いかな?たしか黄昏流星群さんだったと・・どうも話がかみ合ってないですね。
最近1000までいったのでまだその辺に残っています。
今確認のため見ましたが、もう見ることはできませんでした。
私の事はさておき、黄昏流星群さんの梅川事件に関する思いも是非聞かせてください。
355の話も大変興味深かったです。
私用に使って申し訳ありませんでした。

361:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/20 01:05 +KT52BPo
 >>358 野次馬サン

 今晩は。

 残す未入手書籍は、大歳成行の『危機管理』だけとなりましたが、
こちらは最早、大変入手困難ですので、国会図書館ででも折に触れ読み直す所存です。

362:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/20 01:05 +KT52BPo
私は別板2つの三菱銀行人質事件スレのROMでしたが、情報が出尽くしたこともあり、
マンネリ化してきたことに気づきだしたのです。たしか9月くらいの話です。

 ある板で深夜寄り道して、そこの立ったばかりのスレで遊んでいたのですが、何か途中で
もっと悪戯がしたくなり、HNを「梅川昭美」としたのです。そこで、梅川が現代に蘇生し、
スレッドに篭城して、スレ参加者を勝手に「人質」にしたら面白いかもしれない。そう思い、
好き勝手にやりたい放題やっておりました。
 
 その後このスレが廃墟スレとなったこともあり、仕事帰りのヒマな時や呑んだ後、さらには
女性とデート後に家で楽しんでいる合間にも、毎日書き込みするようになったのです。

 蘇生した彼(梅川)にとっては、最期の42時間当時と状況など変わっていません。私は徹底的に、
ディティールに至るまで、当時の状況をこれでもかと書きつづりました。

 この事件に疎い若い面々からは、妄想だの気違いだのと、散々な罵声を浴びました。それがまた
面白くなり、続けていくうちに、事件の詳細がもっともっと知りたくなりました。

 ご存知かと思いますが、この事件は年を追うごとに、ますます語りづらい風潮が増しています。
マスコミなどが人権重視を心がけるとそれに比例して、残酷さでは桁はずれのこの事件は、
マスメディアの表面にあまり出なくなりました。

 この事件の語り部や、そのための場は、2chでなら可能であろう・・・。

 私は恐らく、無意識にそう考えていたように、今にしてみると思います。

 前板では大して人気もなく(潜在的ROMの方々は、自分が思ったよりいたのかもしれません)、
参加者が少ない上に、ルポルタージュなどを始めるようになると、前板の字数制限が非常に気に
なり始めました。加えて>>6にあるように、顰蹙を買うのみならず、恐喝まがいの脅しや荒らしも、
そこそこありました。

 そして私はスレッド上で説得し納得していただきましたが、私の人格にまで言及する方まで現れ、
これは板もどこかしかるべきところに移転し、若干スタイルも変えるべきかと、本格的に考え始めたわけです。(続く)

363:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/20 01:36 +KT52BPo
移転にあたっては、いろいろな板を候補に考えましたが、やはりある程度、この事件と梅川に明るい方の多い、
特にリアルタイムでこの事件を記憶されている方の明らかに多い板は30代以上板だなと考え、ある日意を決して、
スレを移転して、そこでもっと本格的なルポルタージュをやることを宣言することにしました。

 前板でも、最も評判がよかったのは、やはりルポルタージュです。それまでに私は、なるべくこの事件に精通したくて、
資料を片っ端から入手しました。市立図書館に区立図書館、はては大宅壮一文庫に国会図書館、当時の新聞に各書籍・・・
あと既述通り、単に事実の羅列なら誰でもできる、そして私のやることは基本的にエンターテインメントで、別段学術的で
ある必要などはさらさらないが、視点が定まっていないと何が訴えたいのかが、読む方に伝わらないであろう・・・
ましてや30代以上板では、どんな方がいるかもわからないし、下手なモノを提供すると、様々な方面に幅広い見識をお持ちの
方から、一斉に非難される・・・(続く)

364:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/20 01:37 +KT52BPo
  私は大学で社会学を専攻しておりました。中でもエーリッヒ・フロムは私にとっては座右の銘といえる言葉を与えてもらった、
いわば師のような心理学者です。フロイトなども好きでしたが、晩年は鈴木大拙の禅の思想に関心を抱いたというフロムは、
私になにか決定的な契機を与えてくれたように思います。

 その最たるものが2冊の著書、「愛するということ」もうひとつが「悪について」です。

 繰り返しになりますが、私は梅川昭美と三菱銀行猟銃人質事件を通して、真の悪を描くと同時に、自分自身の中の悪をも、
極限まで追求し、さらけ出してやりたい。そう考えると、このスレッドを始める動機付けを、ハッキリ自分の中に見出すことが
できました。

 ちなみに「愛するということ」に関しては、これまた別の板で恋愛相談スレを始めることで、自分の中の動機付けと折り合いを
つけることができております。

 いづれにせよこの私の2つのビジョンが、今のところ無事に続いていますのは、私の手作りからなる拙文や考え方に、有難くも
賛同してくださる皆様がいらっしゃるおかげであると、私は最近、益々考えるようになりました。くどいようですが、私の生み出す
手作りエンターテインメントをいつも楽しみにしてくださる方々には、真にもって、感謝の念に耐えません。

 ・・・まぁ、いささかくどくなりましたので、もうこの辺にします。また明晩に。

365:黄昏ブルース ◆lFBLUESV4w
02/11/20 08:42 8iTSiKco
>>360野次馬さん
ん~と、判りました!
あ、そうか、ケッコウ長いお付き合いをいただいてるんですね。
どもども。


>>362-364
ルポライターさん、大筋解かりました。
難しい題材ですね。
一歩間違うと、かなりの誤解を受けそうなテーマですが、ROMっていると
掘下げる方向が(単なるスケベ趣味とは)違っているのが読み取れると
思います。

昭和54年というと私は横浜で勤務しておりました。
テレビを持たない生活を楽しんでおり、また週刊誌等は買わなかったので
新聞の表面だけでしか事件を理解していませんでした。
当時は経済的にイケイケの時代でしたから、ゆっくり考えるゆとりもなかったです。


・・・では、ROM。


366:野次馬
02/11/20 19:27 pUnCE2ut
>>361
残す未入手書籍は、大歳成行の『危機管理』だけとなりましたが、
こちらは最早、大変入手困難ですので、国会図書館ででも折に触れ読み直す所存です。

ルポライターさんがそう言うからには散々捜されたんでしょうね?
僕も古本屋などで気にしてはいます。
古書の検索などでも引っかかりませんね、あっても売り切れでした。

>>364
私は梅川昭美と三菱銀行猟銃人質事件を通して、真の悪を描くと同時に、
自分自身の中の悪をも、極限まで追求し、さらけ出してやりたい。

これが面白い部分ですね。2ちゃんねるにも善と悪の自分がいたりします。
片方で正論を言って、片方で煽ったりする。
面白おかしく使い分けていることで、受け取る側を支配したり。
匿名性の面白さ、恐さ、狡さ、それらが凝縮された世界では
人が持つ良識の部分と悪の部分が解かりやすく表現されます。
黄昏流星群さんのコメントも含め、今後の展開を期待しています。




367:ルポライターY$A~@:Bc
02/11/21 02:52 W1BvaHZ/
>>365 黄昏ブルースサン
 
これからも投稿いただければ幸いです。

368:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/21 02:53 W1BvaHZ/
>>366 野次馬サンならびにALL

  昨夜忘れていたので補足すべきことがありました。
 以前195サン宛のレス>>82で、私はこう申し上げました。

 >善悪から一歩進んだものでないと、わざわざ2chでやる意味はないと思っています。

  このレスと<真の悪を描く>というレスの、一見すると矛盾したレスに補足します。
 善悪の彼岸を越えた真実・・・これは今でも、ルポルタージュを描く上での私の命題です。
 で、善悪の彼岸を飛び越えるためには、まず「真の悪とは何か」から語り始めねばなりません。

今現在次回のルポルタージュ下書きを起こしていますが、「真の悪」は描けても、「真の善」まで
描くのは、この事件を語る上では困難かも知れません。深く掘り下げるのは悪の方になります。

  今夜はここまでですが、また入手したてののひとつである、

【ドキュメント新聞記者 - 三菱銀行事件の四十二時間】(読売新聞社会部・講談社)

  この一説を最後に引用いたしましょう。私の書いたモノと一部リンクする個所があり、ほんの少し、
自信らしきものを持ちました。おやすみなさい・・・

「 一つ、一つ、目に焼き付けながら、塩は、ここに閉じこめられた人たちが、またこの銀行で何事もなかった
ように仕事に戻ることができるだろうか、という思いにとらわれていた。これまでのハイジャックの場合なら、
人質になった乗客は"みんな同じ被害者"と、ある種の連帯感が生まれることもあるだろう。けれど、ここでは、
殺された者と生きのびた者とに分かれた。その生きのびた人たちも銃の制圧のもとに自分の意志は制圧された。
極限状態のなかで、人間の弱さ、みにくさが露わになったに違いない。人間の神経をズタズタに切り裂いた苛烈
な現場をのぞきみて、この事件の身震いするような恐ろしさが改めて伝わってくるようだった。前線本部へ駆け
戻るときの白昼の明るさが、なにか不思議なもののように彼には思えていた。」
                                     (p.230~231より。原文ママ)

369:Ж奉先の一睨み ◆nvkHEZiU6.
02/11/21 20:43 l29eqSWA
(ガ~ン!!ルポさんおめでとう…※スレ趣旨と関係ないので、カッコ付き記帳です)

370:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/21 20:58 pWBX3Oi+
>>369
ありがとうございます。
ルポルタージュ執筆のため、今夜はここまでかもしれません。

371: :ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/22 23:00 cD7gMiTN
大変申し訳ありませんが、遅筆ゆえ今週は結局平日ルポはできませんでした。

11月中には実現させますので、どうかお許し願います。

372:モモ(・ω・)。
02/11/25 22:20 7eWvJJ4w
>371
マイペースで頑張って下さい。応援していまっす!

373:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/26 04:13 3BPtjNdm
>>372
 モモさんありがとうございます。投稿いただいた時間には、私まだ仕事中でした。

 それでは今夜も参ります。

 本日またしても、私は新資料を入手しました。
(自覚しているつもりですが、モノがあること自体に満足していてはいけませんね)。

 水声社から出版されている『犯罪地獄変』という本がそれです。
 内容としては、先に題材とした『犯罪の同時代史』同様、日本歴代犯罪のオムニバス
形式で構成された内容ですが、著書名通りの表紙(地獄絵図)のセンスには、やや閉口しました。
これではとてもじゃないですが、人様に「こんなの読んでます」と言えたモノではないです・・・。

 まぁ新発見といえる情報は、はっきりいうと特にありません。ですがこの事件の参考資料自体が、
最早数える程しかなく、どんどん消えつつある現状を鑑みると、やはりそれなりに有難いシロモノ
であるといえます。

 早速この本から、気に入った箇所を抜粋して、明晩に繋げて置きましょうか。

374:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/26 04:13 3BPtjNdm
『 もし生きていれば極刑は免れなかったろうし、梅川の犯した犯罪自体は、全く同情の余地は
 ない。
  しかし、梅川の母親を思う気持ちだけは汲み取らねばならないだろう。どんなに極悪非道な
 人間でも、この時代にはまだ親子の信頼関係だけは確立していた。そこが「神戸の少年A」との
 一番の大きな違いであると筆者は思う。
  欧米の猟奇殺人事件犯やホラー映画のサイコマニアに憧れるのではなく、健康を愛し、身なりを
 キメて、大藪イズムに憧れた梅川は、筆者なりの極論としては、「松田優作になろうとした男」
 だったのではないか。
  梅川は自然の年に公開された「蘇る金狼」をスクリーンで観ることはなかっただろうが、小説は
 確かに読破していたハズだ。野良犬のような生き様もほんの一時輝く瞬間がある。それが一瞬か
 四十二時間かの違いで、人生は幕を閉じてしまう。
  映画化されるような小説に傾倒し、犯罪に突っ走った男。そしてその男の話もまた映画化された。』

 (『犯罪地獄変』水声社 <大藪春彦とソドムの市、梅川昭美の生涯>/植地 毅 p.73)

375:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/26 04:16 3BPtjNdm
>>374誤字訂正:

9行目:梅川は自然の年に⇒梅川は事件の年に

お詫びして訂正いたします。

376:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/27 09:42 aNqiNpC/
申し訳ありません。

今月はプライベート等の都合により、ルポルタージュは困難と相成りました。

12月まで延期となる予定です。何とぞご容赦願います。

377:大人の名無しさん
02/11/27 22:32 oGo0hHEe
ごゆっくりどうぞ、ルポライターさん。

378:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/28 03:14 NOwMoCHK
>>377
ありがとうございます。

 ルポができないながらも、短いテクストなら投稿できる。
私の使命はやはり「投稿し続けること」ですので、できること
はするべきと達観し、ここにふっきれました。参ります。

>>374続き。

 この内容を私なりに読み解いておくことに致しましょう。
なぜ私がこのテクストを気に入ったのかと申しますと、梅川昭美という男のエッセンスが、
ここに凝縮されているような気がしたからです。
 ここで述べられているのは、決して梅川が「殺人のための殺人」を犯したわけでは、
決してないということです。
 以下の事実について考察願えますでしょうか。

 1)梅川の矛先は、決して一般客に向けられることはなかった。

 2)梅川は単独で犯行に及び、単独で篭城して外部の包囲網と渡り合った。

379:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/28 03:14 NOwMoCHK
有名はお話ですが、梅川の犯行動機の中で最も大きなモノの一つとして、「30になる前に」
大きなことを何か一つ成し遂げねばならない、というのがありました。そして実際に、梅川が
三菱銀行北畠支店に突入したのが、30丁度のことでした。
 大金を掴む事も、当然目的としては大きかった訳ですが、自分の生がまさに幕を閉じようと
しているその時に、おそらく梅川が蔑視していたであろう銀行員が、目の前にいて自由である。 

 まさにこの時この瞬間に、梅川にはこう、悪魔の囁き声が聞こえたに違いありません。

 「誰もなし遂げられなかった大きなことを、今この場で実現させてやれ!」と。

 こうして前代未聞の大惨事の幕が切って落とされた訳なのですが、ここに繰り返させて
いただきます。
 
 「梅川の犯行の動機は、女子高生コンクリート殺人やスクールキラーのそれとは、質的に
まるで異なる」と。

 そこには先に紹介したフロムの著書に述べられている破壊のナルシズムを(つまりは悪の
根源的な要素を)、誰よりも実践させたかった男の断末魔の叫びがあったと。

 そう私は改めて、皆様に申し上げておきたかったのです。

 ではまた明晩お会いしましょう。おやすみなさい。

380:大人の名無しさん
02/11/28 08:11 sMvcwcnN
動機ねえ。
犯罪心理学で採り上げられたり
類似するケースとかあったのだろうか。

381:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/29 02:09 woFO0fZ4
>>380
ありがとうございます。
犯罪心理学に疎い私には大してお伝えできる知識はないですが、梅川の犯した
犯罪自体、世界中を含めても、近代社会に類を見ない稀なケースのものであることは、
どうも間違いないようですね・・・。

どなたか犯罪心理学に詳しい方に、この辺りの事を体系立てた形で、解説のご支援いただけたら
幸いですね。

だからという訳ではないのですが、一度ageます。おやすみなさい。

382:Ж奉先の一睨み ◆nvkHEZiU6.
02/11/29 16:49 iHIb4NiX
(横からスマソ。ルポさん、私は2Ch引退します。今まで有り難う…失礼シマスタ>all)

383:ルポライター ◆UME/seXGGA
02/11/29 20:01 S0+0xYIA
>>382

なぜですか?今私は物凄いショックを受けています。

帰ってからゆっくり話しますが、最後に一文、ぜひお願いします。

384:Ж奉先の一睨み ◆nvkHEZiU6.
02/11/30 16:57 owtd5/LE
ルポさんのご要望により、私の方向性無き推察(苦笑)をもって、最後の一文とします(無理に読まなくてもよいです)

「神は死んだ」という言葉があります。ニーチェの哲学体型の中で、重要なキーワードです。
彼は現世を肯定し、来世を否定し、天上の幸福のために地上の幸福を犠牲にする宗教観を、背面世界論と呼んで批判しました。
地上の徳は、天上の論理に支配されるものであることから、転じて、あの世を信じないニヒリストと呼ばれ、酒池肉林の地上の楽しみに溺れる背徳を肯定する者と揶揄されました。

太宰の堕落観は、現世の社会生活に適合せず、堕落することによって、社会を批判する表現であるといわれます。
簡単に言えば、堕落をして見せることにより、直面している社会は、人間が健全には生きられない状況にあることを訴えるというわけです。

以前に書き込まれた、梅川の心情に関する考察を、これらの視点から見ると、以下のように表現できると思います。
彼は、地上の享楽から拒否された境遇に生き、それでいて享楽に溺れる者と接点のある生活を送り、その原資の宝庫である銀行と、それに従事する者を憎んだ。
人生に焦りを覚えていたが、その目的と手段をつかめなかった。
そして、天上の世界も、地上の世界も否定し、ニヒリズムに徹底した人生観が醸成された。
そうした人生は、滅びを目指す以外にはありません。
ただし、単に社会の片隅で無為に滅びるのではなく、彼の人生観を成就したかった。
銀行襲撃、籠城という状況下で、彼は置かれた立場と、その意義に気づいた。
そこで残虐行為を決意。
一般客を巻き込んだ無差別殺戮を行わず、ターゲットを限定したのは、そこに自分なりの大儀を与えたかったのではないでしょうか。
銀行と銀行員は、彼によって否定されるものの代表、またはシンボルにされたのではないかと思います。

では……


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