02/10/30 15:42 jyXkDHco
他者の記帳がないので、続けて感想を書いてみます。
>「おれは、精神異常やない。ただ、善悪と道徳をわきまえとらんだけや」
この言葉は、あの事件現場のシチュエーションで聞くと、まさに戦慄すべきものです。
この場合、精神異常であれば、まだ救いがあります。
なぜなら、精神異常者の精神はスキだらけですから、本能的な弱みを探り出してつけ入ったり、あるいは欺くことも可能となるでしょう。
うまくいけば、犯人をマインドコントロールすることさえ可能です。
しかし、精神異常でないということは、あくまでも理性と思考に基づく意思によって残虐行為を行っていることを意味しますね。
そして、今後とも確信を持って、事に臨むと宣言していると解釈できます。
これは、いかなる説得工作も通用しないことを意味している思います。
刑事事件の取り調べに置いて、最も自白させ難いのは、コミュニストなどの思想犯であると言われます。
彼らは、思想に基づく理論武装と、それに対する強固な確信を持って犯罪を犯しているだけに、いかなる状況、立場に置かれようとも国家に対する批判力を失わない。
このため、陽動にも脅迫にも扇情にも全く動じることがないとのことです。
(もっとも、警察側が特定の日共党員を買収し、骨抜きにして逆スパイとして利用している事例を紹介しているルポもありますが…)
はたして、過去の記述によると、梅川はその母親の説得すらも退けてしまったとありますね。
梅川母子がどんな関係であったのかは、分かりませんが、通常なら里心がよぎったり、罪悪感に襲われて攻撃的な精神に怯みが生じ、迷いを覚えるところです。
彼は、何を求めて善悪と道徳をこれほどまでに徹底して放棄したのか。
何故、ここまで冷酷になりきれたのか。
事件について無知な私は、その背景などを全く知りません。
ルポライターさんによる後述が待ち遠しいところです。