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どこまでも身勝手な男である。9月上旬の中国訪問に意欲マンマンだった
安倍首相が、その方針を白紙に戻したもようだ。
日中関係の改善以上に、目先の安保関連法案の成立を最優先。そのためには
「中国脅威論」をとことん煽るハラらしい。戦後70年の節目に、外交より内政偏重の
姿勢では、ますます国際社会から孤立しかねない。
先月11日に「9月訪中を検討」と一斉に報じられて以降、安倍首相は習近平国家主席
との会談を視野に入れ、並々ならぬ意欲を示していたという。
「もともと中国側が9月3日に北京で開く『抗日戦争勝利70年記念式典』に安倍首相を招待し、
出席を切望していたのです。周囲は“その時期に出向けば、中国のプロパガンダに利用される”
と危ぶみましたが、首相は『70年談話の真意を習主席に誤解されないように伝えたい』と積極的な姿勢でした」(官邸事情通)
安倍首相の固い意志を受け、首相周辺が参考にしたのが「メルケル方式」。
5月にモスクワで開かれた対独戦勝70年記念式典にメルケル独首相は出席しなかったが、
翌日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。安倍首相も式典を外した
2日や4日を軸に訪中日程を調整していたとされる。
「7月16日から地ならしのため、国家安全保障会議の谷内正太郎局長が訪中。
3日間の滞在中には共産党ナンバー2の李克強首相まで“格下”の谷内氏との会談に応じる厚遇ぶり。
外交上の格式を重んじる中国では異例の歓迎ムードでした」(中国駐在の外交筋)
安倍首相を中国に迎え、戦勝国の立場を世界にアピールしたい習近平。
日中関係の改善を前進させ、安保法制で失った支持率を浮上させたい安倍首相。
両者の思惑が合致したかにみえたが、雲行きを大きく変えたのは、
中国の楊国務委員が谷内氏に突き付けた訪中3条件だ。
「『村山談話の精神の踏襲』や『首相が靖国神社を参拝しない』などの要求に、
首相の取り巻きたちは『中国に媚びてまで行く必要はない』と猛反発。安保法案の審議が
大詰めを迎えるタイミングとも重なり、首相の意欲も萎えてしまったようです」(外務省関係者)
訪中が立ち消えとなれば、安倍首相は安保審議で遠慮なく、
東シナ海のガス田開発や尖閣問題など中国脅威論を煽るのだろう。70年談話の内容も、
対中強硬路線に傾きかねない。せっかく改善の兆しが見えていた日中関係は、ますます悪化するばかりだ。
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