15/06/04 10:47:46.07 *.net
“戦争法案”を審議している場合じゃない。まさに「年金制度の存立危機」だ。日本年金機構から、少なくとも125万件に上る個人情報が
流出した「漏れた年金」問題。呆れるのは、犯罪につながる可能性もある前代未聞の不祥事にもかかわらず、年金機構に当事者意識が
欠落していることだ。「消えた年金」問題で解体された旧社会保険庁時代のぬるま湯体質は全く変わっていない。
■流出125万件では済まない可能性
約55万件の個人情報にパスワードが設定されていなかったことなど、組織内で内規違反の“常態化”が明るみに出た年金機構。
2日の民主党の対策会議では、出席した議員から機構担当者に「いつ、どこから漏れたのか」「流出は分からなかったのか」と矢継ぎ早に
質問が出たものの、担当者は「分かりません」を繰り返すばかり。5月8日に不正アクセスによるウイルス感染を確認してから1カ月近く
過ぎても、事実関係を何ら把握していないことを認めた。
情報を流出させた「張本人」がこれじゃあ、国民は対策の立てようがない。流出した125万件だって本当かどうか怪しいもので、議員に
「(125万件以上に)広がる可能性は」と問われた機構側は、アッサリと「ある」なんて答えていたから口をアングリだ。
流出問題への対応もズサンそのものだ。機構はコールセンターを設置して「万全の対応を取る」と言っていたが、年金受給者などからは
「1時間以上かけ続けてもつながらない」とのブーイングの声が続出している。民主党の会合でこの点を指摘された機構側は、設置した
電話の数を100台と説明していたが、たった100台で数百万件の問い合わせに対応できるはずがない。
「機構は流出が指摘される125万件の該当者に郵便連絡する、と説明しています。しかし、その間の『成りすまし対策』を問われると、
『ホームページで……』などとゴニョゴニョ言うだけ。要するに“打つ手なし”なんですよ」(厚労省担当記者)
こんなデタラメ組織に国民の大事な年金情報が握られているのかと思うとゾッとするが、「今回の事態は起きるべくして起きた」と言い切る
のは元検事の郷原信郎弁護士だ。郷原氏は昨年3月に廃止された年金業務監視委員会の委員長で、当時から年金機構のガバナンス体制
を問題視し、政府に監視機関の必要性を訴えていた。
「あの組織は厚労省と機構の身内によるお手盛り組織なのです。だから緊張感が欠けている。恐らく機構の上層部は、今も現場の状況を
把握できていないでしょう。そもそも個人情報にパスワードを設定していなかったこと自体が論外です。監視機関を廃止した弊害ですよ」
(郷原信郎氏)
年金業務監視委員会を廃止したのは安倍政権だ。安倍は流出問題について「万全を期す」なんて言っているが、第1次政権で「消えた
年金」問題が発覚した際に「最後のひとりまで記録をチェックして年金を支払う」なんて言って結局、途中で放り出した“前科”がある。
「社会保障」よりも「安全保障」にシャカリキになっている男が、今回の大問題を招いた元凶といっていい。
ソース(日刊ゲンダイ) URLリンク(www.nikkan-gendai.com)
写真=言い訳ばかりの厚労省と年金機構(C)日刊ゲンダイ
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