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2014.07.29 - ZAKZAK
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★(1)
─安倍晋三政権は7月1日、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行った。早速、中国と
韓国が反対している
ストークス氏「中韓の反応は正しくない。もし、日本が集団的自衛権を行使するなら、その対象は中
韓ではないからだ。私は、イラクやシリア、パレスチナに紛争が起こった場合だと考える。これらの地
域の不安定さは地図上では局地的に見えるが、宗教やエネルギーの問題などが複雑に絡み、全世
界に多大な悪影響を与える。日本が限定的でも集団的自衛権の行使容認に踏み切ったのは、地域
や世界秩序の安定につながる。日本が集団的自衛権を持つことは悪いことではない」
《安倍首相は、集団的自衛権行使の一例として、中東・ペルシャ湾のホルムズ海峡で、自衛隊が機
雷除去活動を行う必要性を語っている》
─ロシアも、日本の集団的自衛権容認に反対している
ストークス氏「ロシアはいわゆる『先祖返り』をたくらんでいる。プーチン大統領の本心は『ソビエト連
邦の再興』だ。どんな国よりも大きく、強い国家を作りたがっている。巨大な覇権国家が成立すれば、
周辺国が受ける潜在的脅威は非常に大きくなる。日本が集団的自衛権の行使を容認したことは、ロ
シアの『野望』を防止し、極東の安定につながる面もある」
─これらの国家は、日本にとって潜在的敵国なのか
ストークス氏「彼らは日本だけを敵視しているのではなく、米国との関係も含めてみている。日本が
米国に寄りすぎることを懸念している。日米同盟のパワーが強くなれば、必然的に中国やロシアのパ
ワーを弱めることになる。そうすれば彼らの野望は達成できない」
─アジア諸国の大半は、日本の集団的自衛権行使を歓迎している
ストークス氏「国際社会を、パワーゲームとして考えるとよく分かる。こうしたアジアの国々は、中国
やロシアが巨大になることを好まない。侵略された苦い歴史があるうえ、フィリピンやベトナムのよう
に、現在も侵奪を受けている国もある。日本による集団的自衛権の行使容認は、こうした脅威を強く
牽制する。彼らは日本を信用・期待しており、安倍政権を高く評価している」
─日本が果たすべき責任が高まる
ストークス氏「現在のような世界の対立構造の中では、どの国も『いかに泳いで生き残るか』という
問題を抱えている。かつて日本が理想とした一国平和主義は、もはや通用しない“幻想”といえる。集
団的自衛権を持つことは、国際社会の常識だ。そういう意味で、戦後一貫して平和国家を歩んでき
た日本への期待は高まっているおり、当然、積極的に応えるべきだ。安倍政権は立派に責務を果た
すと思う」 (取材・構成、安積明子)
■ヘンリー・S・ストークス 1938年、英国生まれ。61年、オックスフォード大学修士課程修了後、
62年に英紙『フィナンシャル・タイムズ』入社。64年、東京支局初代支局長に着任する。以後、英紙
『タイムズ』や、米紙『ニューヨーク・タイムズ』の東京支局長を歴任。三島由紀夫と最も親しかった外
国人記者としても知られる。著書に「英国人記者が見た 連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)、
共著に「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」(祥伝社新書287)など。